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2009年11月29日

ウオッカ鮮やかなV。さすがルメール! ~JC

今年のJCは、劇的なウオッカの優勝で幕を閉じました。しかも着差は約2cmとか。昨年の天皇賞(秋)や今年のオークスを思い出すような僅差の戦いでした。

今回のウオッカ乗り代わりの理由は知りませんが、ルメール騎手の騎乗も勝利の大きな要因だったと思います。個人的にウオッカのベストレースは昨年の安田記念だと思うのですが、ルメール騎手はあのレースを念頭に置いた騎乗をしたのではないでしょうか。

ルメール騎手といえば、5年前のJCで掛かりやすいコスモバルクをうまく操って2着に持ってきましたが、掛かる馬をうまく抑える印象があります。今回もやや掛かる素振りを見せるウオッカをうまく抑えて、先行させていました。
1000mが59.0と淀みのないペースの中でうまく折り合い、4コーナー手前で各馬が上がっていっても動かず、結果的に4コーナーは若干下げて5,6番手で回りました。そして直線に入るとうまく先行馬を交わして、残り300mぐらいで抜け出し先頭に立ちます。そこから突き放したのは、昨年の安田記念と同様の展開でした。しかし、マイルから2000m仕様になっているウオッカには、2400mはやはり少し長いようで、脚色が衰え、オウケンブルースリの猛追を受けました。

結果として、オウケンブルースリにはブエナビスタやカンパニーほど切れる脚がなかったこともあり、ぎりぎり抑えて優勝となりました。
ルメール騎手も抜け出したところまでは想定どおりだったと思いますが、最後はヒヤッとしたのではないでしょうか。でもレコードに0.3秒差という好タイムでの優勝はとても価値がありますし、牝馬として初のG1 7勝もすばらしいことです。これもひとえにルメール騎手の好騎乗の賜物で、さすが世界の一流ジョッキーは違いますね。

残念ながらウオッカはレース中に鼻出血を発症したとのことで、有馬記念は出走できなくなり、このまま引退の可能性が高いようですが、最後にすばらしいレースを見せてくれました。
ウオッカが出るとお客さんの数が増えるので、今日の東京競馬場もかなりの混雑でしたが、いいレースを見ることができて、満足した人が多かったのではないでしょうか。
今後はよい子供を出して、ぜひ母子でのG1制覇を実現してもらいたいものです。

2009年11月23日

カンパニーは8歳になっても成長していました ~マイルCS

今年のマイルCSは、カンパニーが見事に1番人気に応えて快勝しました。おめでとうございます。
そしてこれで、宝塚記念から続いてきたG1での1番人気の連敗も、ようやく止まったことになります。

しかし8歳でのG1連勝というのは、すごい快挙だと思います。昨年までのカンパニーといえば、G1でいいところまでは来るものの、連対圏までは来ないという、典型的ないまいちクンでした。
天皇賞(秋)前のG1成績が、0・0・1・11で、その11も4着が4回、5着が3回と、なんとももどかしい成績だったわけです。
それが今年は8歳ながらも進化していて、毎日王冠は時計こそ昨年より遅かったものの、上がりは昨年を上回ってウオッカに快勝。さらに天皇賞(秋)もやはり上がりは昨年より早く、G1初制覇。そして過去2年、5,4着と人気を裏切ってきたマイルCSも、横綱相撲であっさりと勝ちました。

これが引退レースだそうですが、なんともかっこいい幕引きです。中年の星みたいな言われ方もしますが、今までの苦労があるので、余計に共感を呼ぶのでしょう。
父ミラクルアドマイヤは、フサイチコンコルドの弟で、父がトニービンと良血ですが、わずか3戦1勝で引退して種牡馬になり、カンパニーが出なければ、あやうく廃用になるところでした。
実は7年前に北海道に行ったときに、今はもうなくなってしまった社台スタリオンステーション荻伏でミラクルアドマイヤを見ているのですが、当時はまったく知らなかったので、ほとんど記憶に残っていません。スキーキャプテンがいたのは覚えているのですが。
その後も、父ミラクルアドマイヤが引っかかって、血統的にG1は無理かなと勝手に思っていたりしたのですが。大変失礼なことをしたと、改めてお詫びしたいと思います。

しかし2着は、また逃げ馬が残りました。先週のことがあったので、2週連続はないだろうと思ったのですが・・・。騎手もみんなそう思っていたのでしょうね。
確かに先行馬は少ないし、直線平坦で、逃げ馬が残りやすいことは、終わってみればわかるのですが。なかなか学習できないものです。

来週のJCは舞台が東京に移るので、まさか逃げ馬が残ることはないと思いますが、古くはカツラギエースの例もあるので、油断せずに予想したいと思います。

2009年11月15日

長距離の逃げ馬・・・ ~エリザベス女王杯

久しぶりに、人気薄での行った行ったとなりました。しかも2頭・・・。
たしかに出馬表を見たときに、追い込み脚質の馬が多いなとは思ったのですが、しっかりした逃げ馬が2頭いるので、当然ペースは遅くならないだろうし、そうなれば差し・追込みが有利と思った人は多いのではないでしょうか。
しかしそこが盲点だったとは。

確かに長距離レースで人気薄の逃げ馬がからむためには、いくつかの条件があり、今回はその多くを満たしていたのは事実です。その条件とは・・・
1.逃げ馬といっても、ある程度の力はある
2.逃げ馬は前走で逃げつぶれていて、今回は人気薄である
3.中心となる人気馬がいて、それは差し・追込み脚質である
4.競馬場は直線平坦か小回り
こんな感じでしょうか。

まず1.ですが、クィーンスプマンテは2600mのOPを逃げ切るスタミナがあり、前走はG2の京都大賞典で先行して一旦先頭に立ち、ゴール100m手前ぐらいまでがんばっていました。
テイエムプリキュアも、G2日経新春杯を逃げ切り勝ちし、前走はやはり京都大賞典で逃げています。
そして2.の条件どおり、前者は9着、後者は14着に負けています。

3.の人気馬は、いわずと知れたブエナビスタですね。しかもメンバーを見ると先行脚質の馬も少なく、人気どころで先行したリトルアマポーラも、ブエナビスタの影におびえたのか、抑えて逃げ馬との距離を開けてしまいました。
そして舞台は直線が平坦の京都。秋華賞の内回りとは違って、今度は直線が長いので、ブエナビスタには有利だと、多くの予想家も主張していたはずです。

当然このようなことは騎手もわかってはいるのですが、どこかで逃げ馬はつぶれるだろうと、甘く見ていたのだと思います。そしてどんどん距離を広げていく逃げ馬2頭を見て、オーバーペースだと判断したのではないでしょうか。
しかし実際は1000m通過が1.00.5と、あきらかなスローペース。しかも上がりは2頭とも37秒近くとほぼバテていたにもかかわらず、道中の貯金だけで逃げ切ってしまいました。いくらブエナビスタが32秒台で追い込んできても、とどかないわけです。
勝ち時計は2.13.6と、今日出ていたすべての馬が、楽に走れる時計でしょう。

忘れた頃にこういうレースがあるのですが、残念ながら事前に気がつくことは難しく、終わってからその手があったかと思うのですが、後の祭りです。
なかなか教訓にならないものですね。

2009年11月01日

カンパニーの勝因、ウオッカの敗因 ~天皇賞(秋)

今年の天皇賞(秋)は、8歳馬カンパニーの初G1制覇で終わりました。関係者のみなさん、おめでとうございます。

カンパニーといえば、G2ではかなり強いのに、G1になるとなぜか4着前後ということが多く、さすがに8歳ではもうG1優勝は難しいのではというのが、大方の見方だったのではないでしょうか。それは毎日王冠でウオッカを差しきって勝ったにも関わらず、11.5倍の5番人気というオッズに現れていたような気がします。
たしかに、昨年毎日王冠で2着に負けたウオッカが天皇賞(秋)できっちりリベンジした事実とか、カンパニーは2000mになると信頼性がおちるとか、いろいろな理由があったと思います。
しかし今日のパドックで見たカンパニーは、毎日王冠の時にも増してすばらしい出来でした。また横山典Jの騎乗も、内で我慢していたかと思うと、直線ではうまく外に持ち出し、しかも前ががらっと空いて、あとは自慢の末脚を発揮するだけと、すべてうまくいった感じでした。
また比較的ゆったりとしたペースから、直線の上がりの勝負になったのも、1800mがベストのカンパニーには向いたのではと思います。
上がりは究極の32.9でウオッカと同じでしたが、先にスパートしたことと、何の不利もなくスムーズな競馬ができたことが、1 3/4馬身+クビという差になったのだと思います。

対してウオッカは、中団ぐらいにつけると思っていたのですが、思ったよりも後ろの位置取りになり、しかもコーナーを回るたびにさらに後ろに下がって、4コーナーは後ろから5番手の内という、かなり厳しい位置取りとなりました。
それでも一時はカンパニーの1馬身後ろぐらいまで来たのですが、先行していたエイシンデピュティ、キャプテントゥーレ、マツリダゴッホなどが壁になり、一旦外に持ち出して、もう一度内に切れ込むという針路変更を余儀なくされました。そしてカンパニーと同じく上がり32.9という究極の脚を使ったのですが、わずかにスクリーンヒーローにも及ばず、無念の3着に終わりました。
ある意味安田記念と同じような状況になったわけですが、スローだった分前も止まらず、またさらに切れる馬と、スタミナがある馬が前にいたということでしょう。

そして忘れてはいけないのは、2着のスクリーンヒーロー。状態がよさそうだった上に、初ブリンカーで集中力も増したようで、先行した馬の中では唯一粘って、しかも33.6というそこそこの脚も使い、ウオッカの追撃を防ぎました。
こちらはおそらくJC連覇が目標でしょうから、それに向けて理想的なスタートを切れたのではないかと思います。

さてウオッカは次はJCを目指すといわれていますが、過去JCでは4,3着と結果を出せていません。さらに今春のマイルでの強い勝ち方を見ると、ますます2400mへの不安が高まります。
またスクリーンヒーローはもちろん、4着だったオウケンブルースリや、6着と依然東京への対応には疑問もあるドリームジャーニーも、天皇賞(秋)よりは条件が好転するのは間違いないでしょう。

すでにG1 6勝は十分名馬の証ではありますが、シンボリルドルフやテイエムオペラオー、ディープインパクトという超一流馬に並ぶ芝のG1 7勝には、ぜひチャレンジしてもらいたいと思います。
牝馬同士のエリザベス女王杯や、得意のマイル戦のマイルチャンピオンシップという手もあると思いますが、やはり最強馬の称号をかけて、JCに挑むのでしょうね。
1ヵ月後のJCを楽しみに待ちたいと思います。