カンパニーの勝因、ウオッカの敗因 ~天皇賞(秋)

今年の天皇賞(秋)は、8歳馬カンパニーの初G1制覇で終わりました。関係者のみなさん、おめでとうございます。

カンパニーといえば、G2ではかなり強いのに、G1になるとなぜか4着前後ということが多く、さすがに8歳ではもうG1優勝は難しいのではというのが、大方の見方だったのではないでしょうか。それは毎日王冠でウオッカを差しきって勝ったにも関わらず、11.5倍の5番人気というオッズに現れていたような気がします。
たしかに、昨年毎日王冠で2着に負けたウオッカが天皇賞(秋)できっちりリベンジした事実とか、カンパニーは2000mになると信頼性がおちるとか、いろいろな理由があったと思います。
しかし今日のパドックで見たカンパニーは、毎日王冠の時にも増してすばらしい出来でした。また横山典Jの騎乗も、内で我慢していたかと思うと、直線ではうまく外に持ち出し、しかも前ががらっと空いて、あとは自慢の末脚を発揮するだけと、すべてうまくいった感じでした。
また比較的ゆったりとしたペースから、直線の上がりの勝負になったのも、1800mがベストのカンパニーには向いたのではと思います。
上がりは究極の32.9でウオッカと同じでしたが、先にスパートしたことと、何の不利もなくスムーズな競馬ができたことが、1 3/4馬身+クビという差になったのだと思います。

対してウオッカは、中団ぐらいにつけると思っていたのですが、思ったよりも後ろの位置取りになり、しかもコーナーを回るたびにさらに後ろに下がって、4コーナーは後ろから5番手の内という、かなり厳しい位置取りとなりました。
それでも一時はカンパニーの1馬身後ろぐらいまで来たのですが、先行していたエイシンデピュティ、キャプテントゥーレ、マツリダゴッホなどが壁になり、一旦外に持ち出して、もう一度内に切れ込むという針路変更を余儀なくされました。そしてカンパニーと同じく上がり32.9という究極の脚を使ったのですが、わずかにスクリーンヒーローにも及ばず、無念の3着に終わりました。
ある意味安田記念と同じような状況になったわけですが、スローだった分前も止まらず、またさらに切れる馬と、スタミナがある馬が前にいたということでしょう。

そして忘れてはいけないのは、2着のスクリーンヒーロー。状態がよさそうだった上に、初ブリンカーで集中力も増したようで、先行した馬の中では唯一粘って、しかも33.6というそこそこの脚も使い、ウオッカの追撃を防ぎました。
こちらはおそらくJC連覇が目標でしょうから、それに向けて理想的なスタートを切れたのではないかと思います。

さてウオッカは次はJCを目指すといわれていますが、過去JCでは4,3着と結果を出せていません。さらに今春のマイルでの強い勝ち方を見ると、ますます2400mへの不安が高まります。
またスクリーンヒーローはもちろん、4着だったオウケンブルースリや、6着と依然東京への対応には疑問もあるドリームジャーニーも、天皇賞(秋)よりは条件が好転するのは間違いないでしょう。

すでにG1 6勝は十分名馬の証ではありますが、シンボリルドルフやテイエムオペラオー、ディープインパクトという超一流馬に並ぶ芝のG1 7勝には、ぜひチャレンジしてもらいたいと思います。
牝馬同士のエリザベス女王杯や、得意のマイル戦のマイルチャンピオンシップという手もあると思いますが、やはり最強馬の称号をかけて、JCに挑むのでしょうね。
1ヵ月後のJCを楽しみに待ちたいと思います。

カテゴリー ,

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です