やはり傾向は無視できない ~安田記念

春のマイル王決定戦の安田記念。以前はとにかく荒れるというイメージが強かったレースですが、最近は比較的おとなしい決着が多くなっています。単勝2桁人気の馬が連対したのは2014年が最後で、馬連万馬券も、過去10年ではその2014年と2017年の2回だけ。
とはいえ、3着まで上位5番人気以内の人気馬でおさまったのも、過去10年では2回だけと、一筋縄ではいかないレースとなっています。

そんな安田記念ですが、連対馬には意外ときっちりとした傾向というか、ジンクスのようなものがあります。ある程度理由の推察がつくものもありますが、中には偶然としか思えないものもあります。とはいえ意外と強固な傾向だったりします。
例えばこんなものです。

(1)2番人気、5番人気、2桁人気はほぼ連対しない
(2)牝馬は強いが関東馬に限る
(3)ヴィクトリアMとの連勝はほぼない
(4)マイルの重賞勝ちあるいはマイルG1で5着以内の実績

「ほぼ」というところが曲者だったりしますが、意外と役に立つ傾向でもあります。
たとえば(1)ですが、2番人気、5番人気、2桁人気は過去10年でそれぞれ1頭ずつ連対しているのですが、逆に言うとかなりの確率で連対しないという事実があるのです。
今年の場合、前日時点では1番人気ソダシ、2番人気シュネルマイスターとなっていて、シュネルマイスターの連対確率はかなり少ないのではと思っていました。ところが日曜日の朝に逆転して、1番人気シュネルマイスター、2番人気ソダシに。結局最後までそのままでした。
結果として2頭とも連対はできなかったのですが、シュネルマイスターがアタマ差3着と馬券内を確保したのに対して、ソダシは7着。初めてマイル戦で馬券圏内を外すという結果に終わりました。

そして5番人気は前日からソングラインで、こちらも連対は難しいのかと思っていたら、直前でソングラインは4番人気に浮上。代わってジャックドールが5番人気に。
こちらも過去の傾向通りに、ソングラインが見事にヴィクトリアMからのG1連勝および昨年との連覇を達成。逆にジャックドールは先行してよくがんばったものの、5着に敗れてしまいました。

(2)は、今年牝馬は4頭出走して、関東馬はソングラインとナミュール、関西馬はソダシとメイケイエールという布陣。結果として関東の牝馬ソングラインが優勝し、2番人気に推された関西の牝馬ソダシは7着と、こちらも傾向通りの結果に。

(3)については、過去にウオッカが達成しているものの、確勝と思われたアーモンドアイ、グランアレグリアが負けるという波乱。確固たる理由はわからないものの、怪物級の2頭が取りこぼしている以上、気にせざるを得ません。
しかし今年はソングラインが、ある意味迷信としか言えないものを覆して見事に優勝。来年からは、あまり気にしなくても良いのかもしれませんが、やはり気にはなるでしょう。

(5)については、ほかの路線から参戦してくる馬に関して気になる傾向です。
今年でいえば、やはりジャックドールでしょう。デビュー以来14戦すべて芝2000mに出走。今回初めてマイル戦に参戦してきたのです。
過去にショウナンマイティやスワーヴリチャードが、前走大阪杯(ショウナンマイティは産経大阪杯)からマイル戦初参戦で2,3着に好走したことがあったので、絶対ないとは言えないと思っていました。しかし近年はマイラーというカテゴリーが確立されてきて、マイル重賞実績がない馬は、ほぼ上位に来られなくなっています。

それはスプリンターでも同じで、今年でいえばナランフレグやメイケイエールのような芝1200mで活躍している馬も参戦してきますが、やはり上位に来るのは難しくなってきています。3年前にグランアレグリアが高松宮記念2着から優勝していますが、このような二刀流の馬は特異な存在で、今後ますます出て来なくなるのではないかと思います。

個人的には、ソングラインをヴィクトリアMからの連勝が難しいという理由だけで評価を下げてしまい、かなり後悔しました。とはいえ、調教のすばらしさやパドックでの様子から、結果的にはかなり重視せざるをえなくなったのですが。
とはいえ、安田記念連覇に加えてヴィクトリアMとマイルG1を3勝というソングラインの実績は、過去の名牝と比較しても、かなり高い評価を与えられるものでしょう。東京得意ではありますが、ぜひ秋には京都のマイルCSにもチャレンジしてほしいと思います。
さらにキズナの代表産駒として、今後はその血をつないでいく使命もあるので、今後の活躍を期待したいと思います。

【ソングライン】気合乗りよく素軽い動きでとても良く見せました
【ソングライン】外から伸びて残り100mを切って先頭に立ちます
【ソングライン】戸崎騎手も今年G1 2勝目となりました

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です