共同通信杯と牡馬クラシックの展望

近年はクラシックに直結することが多く、重要なステップレースの1つともいえる共同通信杯が行われました。
焦点は、出走馬中唯一の重賞勝ち馬で、その京都2歳SでのちにG1ホープフルSを勝つタイムフライヤーを差し切ったグレイルが、どんなレースぶりを見せるかということだったと思います。またそのホープフルSできわどい3着に入ったステイフーリッシュも出走しており、結果によってはホープフルSのレース価値およびタイムフライヤーの評価にも影響を与えることになります。

人気はグレイルが1.8倍の圧倒的な1番人気に支持され、ステイフーリッシュが5.7倍の2番人気、1戦1勝ながら不良での勝ちっぷりとディープインパクト産駒の良血が評価されたサトノソルタスが6.3倍の3番人気、未勝利からの連勝で百日草特別を制した藤沢和厩舎のゴーフォーザサミットが7.1倍の4番人気と、ここまでが1桁の人気となりました。

レースは東スポ杯や京成杯でも逃げたコスモイグナーツが引っ張るやや緩い流れながら、かなりの縦長となり、いずれも差し脚が特徴のグレイルとステイフーリッシュは9,10番手と後方を追走。直線は2頭とも外に出して前を追いますが、ペースが遅めだったこともあり、なかなか差が詰まりません。
そんな中、中団から力強く抜け出してきたのは6番人気のオウケンムーン。残り100mで先頭に立つと、同じく中団やや後ろから抜けてきたサトノソルタスにじりじりと迫られるも、3/4馬身差抑えて1着。
グレイルとステイフーリッシュはいずれも伸び一息で、7,10着に敗れました。

オウケンムーンは新潟芝2000m未勝利を6馬身差のレコードで勝ち、前走は中山芝2000m500万を先行して1 1/2差で勝っていたものの、オウケンブルースリ産駒という地味な血統と、先行脚質で上りが切れないこともあり、あまり東京向きではないとみなされたのでしょう。
しかし今日は中団から33.5の上りで堂々と差し切り、中山でも東京でも勝ったということで評価が上がると思います。
また2着のサトノソルタスも、2戦目ながら中団後方から33.3とメンバー2番の上りで勝ち馬に迫っており、こちらも将来が楽しみです。

それに対してグレイルとステイフーリッシュは見せ場なく伸びを欠き、残念ながらクラシック戦線では1歩後退という感じです。またこの結果を受けて、タイムフライヤーの評価も下がってしまうのは致し方ないでしょう。

メディアの記事を見ていると、現状牡馬のクラシック戦線で評価が高いのは、東スポ杯を好タイムで3馬身差圧勝したワグネリアンと、朝日杯FSを先行しながら最速の上りで3 1/2差で圧勝したダノンプレミアムの2頭のようです。
ただし東スポ杯組はその後の成績がパッとせず、ワグネリアンの評価は一時ほどではなくなってきており、また朝日杯FSからは皐月賞はともかくダービーで結果を出している馬が近年はおらず、いずれも絶対的な存在とは言えません。

共同通信杯で上位人気馬が勝てば一気に評価が上がったのでしょうが、これでかなり混戦模様となってきました。ワグネリアンとダノンプレミアムは次走に弥生賞を予定しているようなので、その結果でかなり見えてくるでしょう。
しかし個人的には、今日の上位2頭、オウケンムーンとサトノソルタスはクラシックでも期待できるのではと思います。次走が楽しみです。

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