3歳牝馬とは思えない勝負根性でした ~ジャパンカップ

今年のジャパンカップは、ジェンティルドンナが史上初めて3歳牝馬で制しました。これまでは、1996年のファビラスラフインの2着が最高で、ウオッカでさえ4着に敗れていたので、いかにすばらしい偉業であるかがわかります。

発表された馬体重は前走に比べて-14kgと大幅減。パドックでは落ち着いていた秋華賞とは違って、かなりうるさく小脚を使ってちゃかついていました。3歳でキャリア8戦ということを考えると、かなり不安な状況でもあったのです。

ジェンティルドンナの岩田騎手は、馬場の内がよいので初めから狙っていたということで、意表をついて先行策に出ます。3番手で向こう正面に入ると、3コーナーからはやや抑えて、内で我慢します。
対するオルフェーヴルの池添騎手は向こう正面までは後方につけて、3コーナーすぎから外を通って上がっていき、4コーナーでは3番手の外。直線を向いたときは、オルフェーヴルの方がいつのまにか前に出ていました。

直線に入ると内のジェンティルドンナも猛然と追い出し、途中からは馬体をあわせてマッチレースの様相です。
そして逃げたビートブラックの後ろにジェンティルドンナを閉じ込めようと、オルフェーヴルが馬体をあわせに行ったとき、ジェンティルドンナの岩田騎手はオルフェーヴルをはじきとばして、進路を確保。3歳牝馬としてはひるんでしまうような場面ですが、躊躇することなく外に出ます。
そしてそこからは馬体をぶつけながらの壮絶な追い比べが100mぐらい続き、最後はジェンティルドンナがハナ差で制しました。
牡馬相手にたたきあいを制する精神力もすごいですが、相手をはじき飛ばす勝負根性にも驚かされました。
ただし、この進路のとり方が強引だということで、岩田騎手は2日間の騎乗停止となりましたが。

この勝利で、スティルインラブやアパパネといった3冠牝馬はもちろん、エアグルーヴ、ウオッカ、ダイワスカーレット、ブエナビスタといった、近年を代表する牝馬たちを、3歳秋の時点では越えたといえます。
そして有馬記念しだいですが、史上初の3歳牝馬の年度代表馬も見えてきたのではないでしょうか。現時点で有力なのは、ジェンティルドンナ、オルフェーヴル、ゴールドシップの3頭ですが、オルフェーヴル、ゴールドシップが有馬記念で圧勝しないと、ジェンティルドンナが受賞する可能性はかなり高いと思います。

ジェンティルドンナは今年はこれで休養に入り、来年は海外も視野に入れるとのことですが、ぜひ海外のビッグレースでも、今日のような勝負根性を見せて、好成績をおさめることを期待しています。

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