先行有利の思いがレコードタイムを生んだ? 安田記念

今年の安田記念は、2番人気のストロングリターンが後方から上がり33.8で差しきって、1.31.3の日本レコードタイムで優勝しました。

昨年の古馬マイルG1の覇者であるリアルインパクトとエイシンアポロンを初め、マイルG1を勝っているグランプリボス、ローズキングダム、アパパネも顔を揃えた一戦でしたが、84年のグレード制導入以降、1番人気のサダムパテックの単勝がでG1では最高の6.6倍となる、記録的な混戦となりました。
それは、ひとえに各G1馬のその後の成績が、順調ではなかったことによるでしょう。昨年の安田記念の覇者リアルインパクトも、マイルCSの覇者エイシンアポロンもその後未勝利で、かつ2頭とも前走は重賞で2桁着順の惨敗。
朝日杯を勝った5歳のローズキングダムも4歳のグランプリボスも、ともに2桁着順を記録するような極度の不振で、G1を5勝しているアパパネも、牝馬限定G1でも掲示板がやっとという状態です。

代わって人気になったのは、3歳時にクラシック候補と言われながらも結局勝てず、前走の京王杯SCで新たな面を見せて快勝した4歳のサダムパテック。そして去年の安田記念は追い込んでクビ差2着に泣いたものの、休み明けの京王杯SCで4着となった6歳のストロングリターンでした。
しかしどちらも全幅の信頼が置ける成績ではなく、それが6倍を超える単勝オッズになったのでしょう。

そして予想する上でひとつの鍵となったのは、東京芝での先週までの前残りの傾向です。当然騎手もそれが頭にあるので、前掛かり気味になってしまったのではないでしょうか。
シルポートが作った流れは600mが33.8と、昨年とほとんど同じでしたが、そこからゆるむことなく11秒台前半のラップを刻みます。そのため、前走のマイラーズCを逃げきって6番人気に支持されたシルポートも、坂の途中で早々に脱落し、先行していた昨年の覇者リアルインパクトも、懸命に押しても伸びません。
代わって4コーナーでは中団から後方にいた馬たちが差してきて、最後はストロングリターンとグランプリボスの一騎打ちとなり、ストロングリターンがクビ差制しました。
レースの上がりは35.0と早いわけではないので、やはり途中でラップが落ちなかったことが、レコードタイムを生む要因となったのでしょう。

しかし勝ったストロングリターンは2番人気だったものの、2着グランプリボス(13番人気)、3着コスモセンサー(15番人気)、4着ダノンヨーヨー(17番人気)と人気馬総崩れとなりました。
グランプリボスは朝日杯、NHKマイルCとG1を2勝しているものの、最近はかなりの不振で完全に人気の盲点だったと思います。
個人的にはストロングリターンから買っていたものの、グランプリボスは痛恨の抜け。しかし、パドックでよかったコスモセンサーとダノンヨーヨーは押さえていたので、かなり残念な結果ではありました。

古馬マイル路線は、最近は中心馬不在でかなりの混戦模様のため、この傾向はしばらく続くのではないかと思います。穴党にとっては、力の見せ所となりそうです。

ストロングリターン
【ストロングリターン】昨年の雪辱を同じクビ差で果たしました。しかも日本レコード!

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