オルフェーヴル 鮮やかな復活でした ~宝塚記念

阪神大賞典の逸走はともかく、天皇賞(春)の11着惨敗を見たときは、さすがにどうなってしまうのか、かなり不安に思ったのですが、見事に立て直して宝塚記念で今年初のG1制覇を飾ったオルフェーヴル。鮮やかな復活となりました。

過去に何頭も、強かったG1ホースが勝てなくなったのを見てきたこともあり、個人的には正直今回も不安半分という感じでした。池江師も追い切りまで出否を決めかねており、また追い切り後も7割の出来と言っていたように、決して万全ではなかったのだと思います。
また天皇賞(春)の敗因が今ひとつ不確かな面もあり、果たしてオルフェーヴルは復活できるのかというのが、今回の宝塚記念の最大の関心事でした。

もし天皇賞(春)を楽勝していれば、おそらく1倍台の前半だったであろう単勝倍率も、一応1番人気とはいえ3.2倍と、2番人気のルーラーシップ(4.4倍)とあまり変わらず、疑心暗鬼のファン心理を反映していました。
スタートして中団につけたオルフェーヴルは、ここ2走で池添騎手が気を使った折り合い面でもまったく問題なく、落ちついてレースを進めます。3コーナーでまわりが動き出してもあわてずにポジションをキープし、4コーナーではエイシンフラッシュと並んで後方から追い出します。
ここでルーラーシップなど多くの有力馬は、馬場のいい外に進路を取りますが、オルフェーヴルの池添騎手は内を突きます。

そこで思い出されるのが、今年の皐月賞。ただ1頭、馬場の悪い内を突いたゴールドシップが、気がつくといつの間にか後方から前に進出していましたが、今日のオルフェーヴルも気がつくと直線で2番手に浮上していました。おそらく、荒れた馬場を気にしないオルフェーヴルの脚を熟知している池添騎手が、自信を持って内を選んだのでしょう。
そしてその信頼に応えるように、オルフェーヴルも脚を伸ばして、先に抜け出していた軽量のマウントシャスタを差しきり、追い込んできたルーラーシップやショウナンマイティを余裕で押さえ込んで、最速の上がり34.7で2馬身差の圧勝となりました。

これはオルフェーヴルの体調などがよくなっていたことと、池添騎手の好騎乗の両方がうまくかみ合っての、復活劇と言えると思います。
これで秋の凱旋門賞へも、改めて挑戦することが可能になりました。とはいえ、まだ完全復活と呼べるほどの状態とは思えないので、陣営の皆さんのさらなる力添えで、万全の状態でロンシャンの馬場に立つことを期待したいと思います。

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