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2012年05月27日

やはり運のいい馬が勝つ!? ~日本ダービー

今日の日本ダービーは、3番人気のディープブリランテが先行抜け出しから、ハナ差フェノーメノを抑えて優勝しました。関係者の皆さん、おめでとうございます。
特に岩田騎手は、1着がわかった時点で馬のクビにしがみついて号泣するシーンがターフビジョンに大写しにされて、思わずもらい泣きしてしまいました。3週間前のNHKマイルCで斜行して失格となり、2週間競馬に乗れず、つらいこともあったでしょうが、そんなことを跳ね返しての自身初のダービー制覇は、本当に素晴らしいと思います。

ディープブリランテは、2歳が終わった時点では、朝日杯を勝ったアルフレード、ラジオNIKKEI杯を勝ったアダムスピークと並んで、トップの評価を得ていました。それは、新馬の5馬身差圧勝に続いて、東スポ杯の3馬身差での楽勝によってもたらされたものでした。
そのため、3歳初戦の共同通信杯は、どんなレースを見せてくれるのか、楽しみに見に行ったことを覚えています。
しかしそのレースで、掛かって逃げて末脚をなくし、単勝1.4倍という圧倒的な支持を裏切ってゴールドシップに1 3/4差の2着に敗れ、思わぬ弱点をさらしてしまいます。1800mで掛かっては、2400mは持たないのではないかと、一気にダービー馬候補としての評価が下がってしまったのです。
続くスプリングSも1番人気を裏切り2着。そして距離が伸びた皐月賞は単勝6.2倍の3番人気まで評価を下げ、かろうじて人気と同じ3着には入ったものの、ワールドエースに差されて、さらに直線の長い東京での不安は増す結果になりました。

しかし今日の日本ダービーは、終わってみればディープブリランテにかなり運が向いていたように思えるのです。
まず岩田騎手が騎乗停止になったために、直前の2週間は土日も含めて、岩田騎手が付きっ切りで調教にのることができました。
また今週から仮柵が移動されてCコースになり、荒れた内が覆われて、先行するディープブリランテには有利となりました。実際にダービーの前のレースでも先行馬が粘るシーンが多く見られ、またダービーも上位3頭は4コーナーで7番手以内にいた馬です。
そして好天に恵まれて良馬場で行われたこと。これは切れで勝負するディープインパクト産駒にとっては、大変有利に働いたと思います。実際に上位5頭は、すべてディープインパクトとステイゴールドの産駒で占められました。ちなみに上位入線できなかったディープインパクト産駒も、8位のエタンダールは34.0、9位のベールドインパクトは33.9と、いずれも速い脚を使っています。

とはいえ、もちろん運だけで勝ったわけではありません。折り合いに心配があるディープブリランテを積極的に先行させた騎手の判断も、それに応えて粘りきった馬の根性も、すばらしいものでした。それがダービー馬の栄光につながったといえるでしょう。

今年は例年より早く、ダービーの翌週から2歳新馬戦が始まります。また来年のダービーを目指す戦いが始まるわけですが、今度はどんなドラマが展開されるか、楽しみに見守りたいと思います。


ディープブリランテ
【ディープブリランテ】パドックではテンション高めでしたがちゃんと折り合いました

2012年05月20日

驚くべき強さでした ~オークス

オークスは、桜花賞馬ジェンティルドンナが、3番人気という低評価に反発するように、圧勝で2冠を達成しました。
個人的にも3番手評価としてしまったので、その強さには驚かされたのですが、やはり毎年のことながら距離適性のようなものに、左右されすぎたかなと反省しています。

ジェンティルドンナの桜花賞は、中団からメンバー最速の上がり34.3で1/2馬身差しきるという、文句のつけようがないものでした。しかし、オークスにはさまざまな新たな困難が立ちはだかります。
ジェンティルドンナは、桜花賞までに6戦していますが、すべて芝1600mのレース。しかも、阪神と京都という関西圏でかつ右回りのコースに限られています。オークスの場合は、800mの距離延長にプラスして、東京への輸送と左回りの克服という、新たな要素が加わるわけです。
それに加えて、全姉のドナウブルーが初めての関東遠征で大幅な馬体減で大敗したとか、そもそもディープインパクト産駒はマイルのG1しか勝っておらず、昨年のオークス、ダービーは10頭出走してすべて着外だったなど、マイナス要因がいろいろささやかれました。

また、トライアルのフローラSでは、タニノギムレット産駒のミッドサマーフェアが強烈な末脚で圧勝し、桜花賞2着のヴィルシーナはオークスをにらんだローテーションで、東京コースも距離2000mも難なくこなしていることから、どうしてもこの2頭を上に見てしまう心理が働いてしまったわけです。

しかし、オークスでのジェンティルドンナのパフォーマンスは見事でした。
やや早めの流れを後方で追走すると、直線は外に出してじりじりと進出し、残り150mぐらいで先頭に立つと、そこからは2番手のヴィルシーナ以下を一気に突き放し、唯一34秒台となる上がり34.2で、5馬身差をつけて圧勝しました。

ディープインパクト産駒がオークスでワン・ツーとなったことで、産駒はマイラーなのではという疑問に、一応の終止符を打つことになりましたが、オークスの場合はあまり距離適性が関係ないのも事実です。
ただ、芝2400mでの強烈な末脚と、オークスレコードでの制覇を見ると、マイラーとはとても思えません。秋にさらに距離が伸びるレースで、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、今からとても楽しみです。

ジェンティルドンナ
【ジェンティルドンナ】川田騎手と勝って戻ってきたところ
佐々木氏
佐々木氏のヴィルシーナは桜花賞に続いて無念の2着でした

2012年05月14日

明暗が分かれた2頭の関東馬 ~ヴィクトリアマイル

ヴィクトリアマイルは、G1挑戦6度目にして、ついにホエールキャプチャがG1ホースとなりました。関係者の皆さん、おめでとうございます。

ホエールキャプチャは阪神JFと桜花賞では2着、オークスと秋華賞では3着と、常に上位争いをしながら、2,3歳時はG1には手が届きませんでした。桜花賞と秋華賞では1番人気に支持されながらの敗戦で、関係者の方も悔しい思いをされたことでしょう。
それが昨年のエリザベス女王杯で初めて馬券圏外の4着と破れると、休み明けの今年の中山牝馬Sでは生涯最低の5着に破れ、その影響か、今日は単勝7.2倍の4番人気となりました。

しかしこの2ヶ月でよく立て直したと思います。調教ではきびきびとした動きで美浦の坂路を駆け上がり、かなり好印象を与えました。
レースは飛び出したクィーンズバーンとドナウブルーの直後につけ、ぴったりと折り合います。そして直線では、早めに抜け出すとふわふわするということで、横山典騎手がぎりぎりまで追い出しを我慢し、坂でドナウブルーを突き放すと、最後までしっかりと走って、見事にG1初勝利を飾りました。

レースの最初の600mは34.4とここ2年よりは遅いペースでしたが、そこから33.8で上がったのでは、後続の出番はありません。先行した2頭のワンツーとなり、唯一後方から33.5で追い込んだマルセリーナが1 3/4馬身差の3着まで。

1番人気のアパパネは、中団追走から一旦は3番手まで上がるものの、最後は後ろから差されて、2 1/2馬身差の5着に終わりました。
アパパネといえば休み明けはやや凡走するものの、本番ではきっちりと復活するというのがパターンでした。しかし昨年のエリザベス女王杯では3着に終わり、今回の休み明けは見せ場のない7着と、かなり復活が疑問視されたのが、1番人気ながら単勝4.0倍というオッズに現されていたと思います。
力の入った最終追いきりといい、悠然と歩くパドックといい、勝ってもおかしくない雰囲気は漂わせていましたが、やはり完全復活とはいきませんでした。

しかしアパパネ自身も上がり33.8で走っており、決して凡走したわけではありません。現状では、力を出し切った結果といえるでしょう。
ただし昨年の勝ちタイムからは0.9秒遅く、また一旦前に並びかけながら、最後は後ろから来た馬に差されて5着という結果は、厳しい現実を示していると思います。

関東馬による古馬牝馬トップの世代交代という様相ですが、もうアパパネの復活はないのでしょうか。
昨年のブエナビスタのように、最後に5冠馬の意地を見せてくれることを期待せずにはいられません。あの少しだけ前にいるという、真に強くないとできない勝ち方を、また見せてもらいたいものです。

2012年05月06日

オリンピックイヤーに変則2冠馬は誕生するか ~NHKマイルC

NHKマイルCは、1番人気のカレンブラックヒルが鮮やかに逃げ切りました。
中山のトライアルであるニュージーランドTは、先行して直線突き放し2 1/2差の1着と強い勝ち方でしたが、直線の長い東京で同じような勝ち方ができるのかと、疑問に思う気持ちもありました。しかし、すんなりハナに立つと、600mが35.1とスローペースに落とし、直線は突き放してニュージーランドTを上回る3 1/2馬身差で快勝しました。

そこで次の興味は、NHKマイルCと日本ダービーの変則2冠馬が誕生するかどうかです。
NHKマイルCは創設当時はマル外ダービーとも言われ、日本ダービーへの出走権を持たない外国産馬が圧倒的に強いレースでした。しかし2001年に外国産馬にも日本ダービーへの門戸が開かれ、また不況の影響もあって強い外国産馬が減り、内国産のレベルも上がって、そのような傾向もなくなってきたのです。
そんな中、2004年にNHKマイルCと日本ダービーを制する馬が現れました。それがキングカメハメハです。スピードとスタミナを兼ね備えた、ある意味サラブレッドの理想形ともいえるでしょう。そして2008年にはディープスカイが続きました。
そう、どちらもオリンピックイヤーなのです。そこで今年のNHKマイルCの勝ち馬であるカレンブラックヒルにも、変則2冠馬の期待がかかるわけです。

そこで過去の2頭とカレンブラックヒルの成績を比べてみました。
2004年は、600mを33.9というハイペースをキングカメハメハは中団で追走し、上がり34.0で5馬身突き放して勝ちました。勝ちタイムは1.32.5(良)。
2008年は、600mを34.6というミドルペースをディープスカイは後方で追走。3コーナーから進出して4コーナー中団から、上がり33.9で1 3/4馬身差で勝ちました。勝ちタイムは1.34.2(やや重)。
今年は自ら作った35.1というスローペースから、上がり34.6で3 1/2馬身差の優勝。勝ちタイムは1.34.5(良)。

こうして見てみると、キングカメハメハのレベルの高さは一目瞭然で、ディープスカイもやや重という条件では、やはり優秀な成績といえます。また、いずれも上がりはメンバー最速を記録しています。
それに対して、カレンブラックヒルは逃げたこともあり上がりは最速の馬より0.4秒遅く、やや展開に助けられた感じもあります。また、NHKマイルCの前に1800m以上の重賞勝ちがあった2頭に対して、カレンブラックヒルは1600mしか経験がないというのも気がかりです。

カレンブラックヒルの次走は未定のようですが、もし日本ダービーに出てくるのであれば、そこそこの人気になるでしょう。しかし、変則2冠を達成した2頭に比べると、やや条件は厳しいと言わざるを得ません。
しかし、ニュージーランドTの勝ち馬はNHKマイルCを勝てないというジンクスを覆したのも事実です。ぜひ好走してくれることを期待したいと思います。