オリンピックイヤーに変則2冠馬は誕生するか ~NHKマイルC

NHKマイルCは、1番人気のカレンブラックヒルが鮮やかに逃げ切りました。
中山のトライアルであるニュージーランドTは、先行して直線突き放し2 1/2差の1着と強い勝ち方でしたが、直線の長い東京で同じような勝ち方ができるのかと、疑問に思う気持ちもありました。しかし、すんなりハナに立つと、600mが35.1とスローペースに落とし、直線は突き放してニュージーランドTを上回る3 1/2馬身差で快勝しました。

そこで次の興味は、NHKマイルCと日本ダービーの変則2冠馬が誕生するかどうかです。
NHKマイルCは創設当時はマル外ダービーとも言われ、日本ダービーへの出走権を持たない外国産馬が圧倒的に強いレースでした。しかし2001年に外国産馬にも日本ダービーへの門戸が開かれ、また不況の影響もあって強い外国産馬が減り、内国産のレベルも上がって、そのような傾向もなくなってきたのです。
そんな中、2004年にNHKマイルCと日本ダービーを制する馬が現れました。それがキングカメハメハです。スピードとスタミナを兼ね備えた、ある意味サラブレッドの理想形ともいえるでしょう。そして2008年にはディープスカイが続きました。
そう、どちらもオリンピックイヤーなのです。そこで今年のNHKマイルCの勝ち馬であるカレンブラックヒルにも、変則2冠馬の期待がかかるわけです。

そこで過去の2頭とカレンブラックヒルの成績を比べてみました。
2004年は、600mを33.9というハイペースをキングカメハメハは中団で追走し、上がり34.0で5馬身突き放して勝ちました。勝ちタイムは1.32.5(良)。
2008年は、600mを34.6というミドルペースをディープスカイは後方で追走。3コーナーから進出して4コーナー中団から、上がり33.9で1 3/4馬身差で勝ちました。勝ちタイムは1.34.2(やや重)。
今年は自ら作った35.1というスローペースから、上がり34.6で3 1/2馬身差の優勝。勝ちタイムは1.34.5(良)。

こうして見てみると、キングカメハメハのレベルの高さは一目瞭然で、ディープスカイもやや重という条件では、やはり優秀な成績といえます。また、いずれも上がりはメンバー最速を記録しています。
それに対して、カレンブラックヒルは逃げたこともあり上がりは最速の馬より0.4秒遅く、やや展開に助けられた感じもあります。また、NHKマイルCの前に1800m以上の重賞勝ちがあった2頭に対して、カレンブラックヒルは1600mしか経験がないというのも気がかりです。

カレンブラックヒルの次走は未定のようですが、もし日本ダービーに出てくるのであれば、そこそこの人気になるでしょう。しかし、変則2冠を達成した2頭に比べると、やや条件は厳しいと言わざるを得ません。
しかし、ニュージーランドTの勝ち馬はNHKマイルCを勝てないというジンクスを覆したのも事実です。ぜひ好走してくれることを期待したいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です