7頭目の牝馬3冠を達成 ~秋華賞

オークスが終わった時点で、無事なら牝馬3冠の達成はかなり濃厚とみていましたが、やはり予想通りリバティアイランドが史上7頭目の3冠牝馬となりました。

リバティアイランドといえば、新馬戦のパフォーマンスが秀逸で、特に上りタイム31.4と、さらにしり上がりにラップをあげた走りから大きく期待されたものの、アルテミスSでラヴェルに差されて2着に敗れてしまいます。そのため阪神JFでは1番人気ながら2.6倍と、やや微妙な評価に。実際に私も阪神JFではリバティアイランドを▲の評価としてしまいました。
しかし中団から直線は外を一気に伸びて突き抜けると、ムチも入れずに2 1/2差の圧勝。力が違うことを見せつけました。

続く桜花賞は、阪神JFのレースぶりから1.6倍の圧倒的な1番人気に。さすがに阪神JFの勝ち方を見ると逆らえないだろうと、個人的にもこの時は本命にしました。
ところがリバティアイランドはやや出遅れてスタートすると、まったく行く気を見せずに後方を追走。4コーナーでも後ろから3番手と、さすがに間に合わないかと思われましたが、直線で外から一気に伸びると、1頭だけ違った脚で追いこんできて、ゴール直前で前を行く2頭を差し切り3/4差の1着。
それまでとはまったく異なるレースぶりで勝ちきったことで、あらためてその強さを認識させられました。

そしてオークスではさらに人気が上がって1.4倍の1番人気。マイルまでしか経験がないことや、東京で唯一の敗戦を喫していることなど若干の懸念はありましたが、それまでのパフォーマンスを見れば些細な事と思われました。
そしてこのレースで、リバティアイランドはさらにすばらしいレースを見せます。桜花賞と違って6番手でレースを進め、直線で余裕をもって追い出されると、残り200mで先頭に立ち、あとは独走状態。グレード制導入後では、ジェンティルドンナの5馬身差を上回る最大着差6馬身差での圧勝となりました。
その勝ちタイムは、1週間後の日本ダービーを2.1秒も上回る2.23.1。日本ダービーに出ていても勝っていたのではないかと言われたほどの、インパクトのある勝ち方でした。

そして迎えた秋華賞。幸運にも指定席が当たったので、現地観戦してきました。
久しぶりの京都競馬場は、何もかも違っていて驚かされました。なにしろ前回行ったのは10年以上前。当時はまだ地上にあった淀駅から道路を歩いて正門まで行きましたが、高架化されてすっかりリニューアルされた駅から、そのまま専用通路を通って競馬場へ。以前からあった4コーナーよりのスタンドはそのままでしたが、その前にあった名物の円形パドックは、形はそのままに人工芝が敷かれて休憩スペースに。その奥の新しいスタンドの前に、新たに楕円形のパドックが設けられていました。
新スタンド内はとてもきれいで、指定席はリクライニングしてその快適さに驚かされました。

パドック奥には3冠馬メモリアルロードが設けられて、歴代の3冠牡牝馬の像が飾られています。そしてリバティアイランドが3冠馬になった際にはその像が飾られる場所も、すでに確保されていました。
さらに個人的に気になったのが、ライスシャワーの碑。最後の宝塚記念からすでに28年がたち、どうなっているのか見に行ったのですが、何と長蛇の列でお参りする順番を待っています。おそらく現役時代を知らないであろう若い人たちも多く、聞くところによるとウマ娘の影響とのことですが、あらためて感慨深い思いがありました。

さて肝心のレースですが、リバティアイランドの評価は、3冠レースでも最も高い支持を得て1.1倍。2番人気のハーパーが12.9倍なので、完全なる一本かぶり。それもそのはず、夏の上り馬と言えるのはローズSをレコードで制したマスクトディーヴァぐらいで、ほかの有力馬はすべて春までに負かした馬ばかり。どんな勝ち方をするかが焦点という感じでした。
パドックでも落ち着いて適度な気合乗りで、素軽い歩様で歩き好調そうに見えました。

【リバティアイランド】適度な気合乗りと素軽い動きで好調そうでした

ほぼ互角のスタートを切ったリバティアイランドを、川田騎手は無理なくオークス同様に中団の前につけます。1000m1.01.9のやや遅めのペースながらしっかり折り合って進むと、3,4コーナー中間から外を通って進出し、4コーナーは外を回って、直線に入った時には早くも先頭に並びかけます。そこから一気に後続を突き放すと、残り100mでは3~4馬身抜けだして独走状態。これは圧勝かと思わせます。
そこに1頭だけ外から差を詰めてきたのが、ローズSを圧勝した3番人気のマスクトディーヴァ。すばらしい末脚を発揮して一気にリバティアイランドに迫りますが、1馬身差まで詰めたところがゴール。その瞬間に、鞍上の岩田望騎手ががっくりと頭を垂れたのが印象的でした。

【リバティアイランド】最後は迫られたものの着差以上の完勝でした
【リバティアイランド】川田騎手も感慨深げでした
【リバティアイランド】3本指を掲げる川田騎手と関係者

表彰式の表彰台にリバティアイランドの名前が書かれていたり、出口でリバティアイランドの3冠記念カードが配布されたりと、JRAもリバティアイランドの3冠を確実視していたようですが、まずは達成できて関係者一同ほっとしたというのが正直なところではないでしょうか。

そして興味は今後に移っていきます。3冠達成後にジェンティルドンナとアーモンドアイはジャパンCを制覇し、デアリングタクトもアーモンドアイ、コントレイルに次ぐ3着に入るなど、近年の牝馬3冠馬のその後の活躍は目覚ましいものがあります。果たしてリバティアイランドの次走はどうなるでしょう。
もしジャパンCでイクイノックスとの対戦が実現すれば大いに盛り上がるでしょうし、オルフェーヴルを下したジェンティルドンナのように、もしイクイノックスに勝つことがあれば、先輩たちを超えるようなすばらしい成績を残すことになるかもしれません。
大いに期待したいと思います。

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