姉妹でのG1制覇 ~スプリンターズS

今年のスプリンターズSを制したのは、3番人気のママコチャ。平均ペースの流れを先行し、早めに抜け出して、好位から伸びてきたマッドクールをハナ差抑えての戴冠となりました。
父クロフネ、母ブチコなので、ソダシの1歳下の全妹となります。

【ママコチャ】ややテンション高めも、トモの踏み込み力強く良く見えました
【ママコチャ】早めに先頭に立ち押し切りました

しかし毛色はソダシの白毛に対して、ママコチャは鹿毛。おそらく母父のキングカメハメハの毛色を引き継いだのでしょう。シラユキヒメに始まる白毛一族の1頭ですが、シラユキヒメの子供世代には白毛が多いものの、孫世代以降になると意外と白毛は少なく、いとこのシロインジャー(白毛)の子供となるメイケイエール(今回残念ながら復活ならずも5着と好走)も鹿毛ですし、ブチコの仔も4頭中2頭は白毛ではありません。

川田騎手も勝利インタビューでソダシ(今年の安田記念で騎乗)との違いを聞かれて、タイプは全く違って似ているところはほとんどないと答えていましたが、毛色だけでなく、性格や馬体なども違うのでしょう。ただしパドックでややうるさいところや、先行して粘るレースぶりなどは共通していると思いますし、マイルで強さを見せたところも、血のつながりを感じさせます。

しかしママコチャの方が短距離に適性があったということは、異なる部分と言えるのかもしれません。
残念ながらソダシは1600m未満のレースを走ったことがないので、スプリント適性はわからないのですが、1800mの札幌2歳Sや2000mの札幌記念を勝っていることから、マイル以上に適性があることが想像されます。
対してママコチャは、未勝利、1勝Cとも芝1400mで勝ち上がっており、さらに2走前の芝1400mリステッド安土城Sでは、後続を3馬身突き放す強い勝ち方を見せていることから、マイルより短い距離に適性があるのでしょう。

とはいえ、先行して早めに抜け出したところを、よりスプリント適性が高いと思われるマッドクールやナムラクレアに詰め寄られており、やはり1400mが得意なのではとも思わせます。
そのため、今後スプリント路線で王者として君臨するという感じではなく、相変わらず混戦模様となっていくのではないでしょうか。

ところでシラユキヒメに始まる白毛一族といえば金子真人オーナーですが、またもやG1の勲章を追加することになりました。しかもそのすごいところは、ソダシもそうですが、ママコチャの父、母、母父とすべて自らの持ち馬だということ。その運というか相馬眼は、すごいものがあると思います。
これでJRAのG1は33勝(金子真人ホールディングス名義含む)とのこと。スプリンターズSは1999年にブラックホークで勝っているので、24年ぶり2勝目となります。

【ママコチャ】金子オーナーは昨年のヴィクトリアM以来のJRA G1制覇となりました

こうなると残りのG1がどうなのかが気になりますが、JRAの平地G1全24戦のうち、未勝利なのは高松宮記念、マイルCS、朝日杯FS、ホープフルSのわずか4つ。2歳G1はともかく、マイルCSあたりは意外な感じがあります。
そしてもう1つのスプリントG1である高松宮記念。これまで金子オーナーの有力馬で短距離を主戦場としていたのは、ブラックホークとブロードアピールぐらいで、実際に2頭とも高松宮記念に出走して2着と6着に入った実績もあるのですが、勝ててはいません。
今回ママコチャがG1馬になったことで、来年の高松宮記念では注目を集めることになるでしょう。果たして金子オーナーのG1勝利の記録を増やすことができるか、楽しみに待ちたいと思います。

そしてママコチャのG1勝利を受けて、脚部不安で休養していたソダシの引退が決まりました。オーナーから、ちょうどいいタイミングで、バトンを渡すことができるのではという話があったとのこと。
ますますママコチャへの期待は大きくなると思いますが、白毛一族の歴史をさらにつなげていくために、ぜひ頑張ってもらいたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です