混戦ではどの要素を重視するべきか ~NHKマイルC

東京のマイルG1はどれも荒れるイメージがあるのですが、NHKマイルCも過去10年で1番人気はわずか2勝で、6番人気以下が3勝。単勝平均が1,082円で、馬連平均が8,840円と、なかなかの荒れっぷりです。そんなNHKマイルCですが、今年は1番人気が最終的には5.7倍でカルロヴェローチェとなり、かつ倍率1桁の馬が6頭とかなりの混戦でした。
そもそもどの馬が1番人気になるかもわからない状況でもあったのですが、それは予想に際してどの要素(ファクター)を重視すべきかがわからないということが大きかったのではと思います。

年によって連対馬の脚質も、前走のレースも異なり、傾向をつかむのが難しいということもありますし、直接対決が少ないメンバーで、それぞれの前哨戦のレベル把握が難しいということもあるでしょう。また東京での実績や、今年のように道悪になった場合の巧拙なども、予想の重要なファクターになります。

どの馬も一長一短がある中、混戦の場合は、なるべくマイナス要素が少ない馬を中心にするのが大切だと思います。そんな中で、個人的に気になったのは下記の要素でした。

(1)ニュージーランドTの1着馬は馬券内なし
これは半ばジンクスのような感じで、説得力のある理由は思い浮かばないのですが、事実として過去10年で参戦したニュージーランドT1着馬は、10頭すべてが着外に敗れています。
今年はエエヤンが該当するのですが、エエヤンは中山芝マイルで未勝利から1勝C、G2と3連勝中。いずれも先行して抜け出すという安定したレースぶりで、マイル適性は間違いなし。ただし気になるのは、デビュー2戦とも東京のレースで敗れていることでした。とはいえそれは2000mと1800m。成長した今であれば、得意なマイルで違うパフォーマンスを期待できるのではとも思えます。

(2)シルバーステート産駒は東京芝が不得意
これはいくつかの記事で指摘されていて知ったのですが、シルバーステート産駒の成績を見ると、サンプル数の少ない京都を除いて、東京芝の勝率、連対率、複勝率がいずれもJRAの全競馬場で最下位だというのです。
今回は3頭のシルバーステート産駒が参戦しており、しかも1番人気カルロヴェローチェ、2番人気エエヤン、7番人気セッションといずれも人気になっています。
その成績を見てみると、カルロヴェローチェとセッションは東京で走った経験がないものの、エエヤンは前にもふれたように東京では2戦とも着外。たしかに中山でのパフォーマンスとの差は大きいようにも感じられます。

(3)関西馬より関東馬、牡馬より牝馬の連対率が高い
連対数は関西馬の方が多いものの、連対率は若干関東馬の方が高く、同じく連対数は牡馬の方が多いものの、連対率はかなり牝馬の方が高いのです。今年は関東馬が6頭、牝馬が5頭といずれも数は少ないものの、傾向という意味では気になりました。

そして結果として、上記の3つはすべて当てはまってしまいました。
エエヤンは2つの要素が重なったこともあったのか、2番人気を大きく裏切る9着となり、シルバーステート産駒のあとの2頭カルロヴェローチェは5着、セッションは13着と、いずれも人気を下回る結果に。
そして1着のシャンパンカラーは関東馬で、2着のウンブライルも同じく関東馬でかつ牝馬。それぞれ前走はニュージーランドTで3着、2着と好走していましたが、人気の盲点となる9番人気、8番人気。その組み合わせで、馬連は12,990円と荒れました。

上の3つの要素を信じていれば、人気馬を切ることができて、的中馬券にそれだけ近づくことができたのですが、勇気をもって決断することは難しいものです。ただし過去の傾向というものは、かなりの確率であてはまるということを、よく思い知らされます。今回もその一例と言えるでしょう。
個人的にウンブライルはクイーンCの結果から手が出なかったのですが、前走からつけたブリンカー効果が大きかったようなので、そこまで考慮すれば買えたかもしれません。またシャンパンカラーは東京成績が良かったことと、ニュージーランドTでのパフォーマンスから買い目には入れていたので、買えなかった馬券ではなかったのです。
ちなみに3着のオオバンブルマイは本命にしていました。

毎度のことながら、過去の傾向分析と、最終的にはそれを信じる決断力が大切だと、あらためて思い知らされました。もっともどの要素を重視すべきかは、終わってからわかることなのですが。

【シャンパンカラー】気合乗りよくキビキビとした歩様で好調そうでした
【シャンパンカラー】ダノンタッチダウン、オオバンブルマイを交わして先頭に立ちます
【シャンパンカラー】5年ぶりのG1制覇となった内田騎手もうれしそうでした

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です