エリザベス女王杯で穴をあけるタイプとは

今年のエリザベス女王杯は、上位人気4頭が少し抜けた印象でした。
1番人気のモズカッチャンは昨年の優勝馬で、前走札幌記念でサングレーザー、マカヒキにアタマ差に迫った末脚は見事でした。叩き良化型なのに休み明けというのが少し不安でしたが、札幌記念も休み明けで好走したので、こなせるのではという印象もありました。
2番人気のノームコアは、G1,G2実績はないものの、紫苑Sの3馬身差快勝はすばらしく、2着だったマウレアとの着差を単純にあてはめると、アーモンドアイとも遜色がない可能性があったのです。
3番人気のリスグラシューはG1での1着こそないものの2着は4回。前走府中牝Sも最後にディアドラに交わされたものの、クビ差と勝ちに等しい内容でした。
4番人気のレッドジェノヴァは重賞勝ちはないのですが、前走京都大賞典ではサトノダイヤモンドの1/2馬身差2着と見事な走りでした。

こうしてみると、この4頭は近走好調で実績も文句なく、着順はともかくこの4頭で決まる可能性はかなり高いと思われたのです。
実際にリスグラシューが鋭い末脚で優勝し、モズカッチャンが3着、4着レッドジェノヴァ、5着ノームコアと、この4頭は5着以内に皆入ったのですが、2着に来たのが9番人気のクロコスミア。そのために馬連は9,800円と万馬券一歩手前という高配当になりました。
ではこのクロコスミア、買えなかったかというと、実は典型的な穴をあけるタイプではあったのです。

過去10年エリザベス女王杯で6番人気以下で連対した馬は7頭。その内5頭は逃げ先行馬でした。
その中で最も印象的なのは、やはり2009年に逃げ切った1着クィーンスプマンテ(11番人気)と、2番手から粘った2着テイエムプリキュア(12番人気)でしょう。その馬連は102,030円ととんでもない配当でした。2頭の前走はともに京都大賞典で、逃げたテイエムプリキュアは最下位14着、2番手のクィーンスプマンテは9着といずれも大敗していたので、人気がなかったのは仕方ないでしょう。
他の3頭は、2013年2着ラキシス(6番人気)、2016年2着シングウィズジョイ(12番人気)、2017年2着クロコスミア(9番人気)。いずれも格や力が劣るとみなされ、伏兵扱いでした。

しかしエリザベス女王杯の毎年のラップを見てみると、意外にスローペースになることが多いことがわかります。これは牝馬にはマイルから2000mぐらいを得意にする馬が多く、距離を考えてペースを落とすことが主な原因ではないでしょうか。
実際に逃げたクロコスミアは1800mで3勝と最も多くの勝ち星を挙げており、2番手追走のミスパンテールはマイルで3勝の典型的なマイラーです。
そして今年も1000mが1.01.4とスローな流れとなり、クロコスミアがクビ差2着に粘りました。

またエリザベス女王杯は比較的リピーターが多いことも特徴で、それが昨年1着のモズカッチャンが人気の理由の1つだったのですが、実は2着だったクロコスミアの方だったというのがオチだったわけです。

こうして後から考えてみると、クロコスミアは十分注意すべき馬だったわけですが、昨年2着の後、4戦すべて5着以下という成績から、買い目に入れるのをためらってしまったのは仕方ないでしょう。
このエリザベス女王杯における穴馬の特徴を来年以降も思い出して、うまく買い目に入れられれば、失敗から学んだと言えるのでしょうが・・・。期待したいと思います。

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