異色の馬による連覇 ~スプリンターズS

今年のスプリンターズSは、レッドファルクスの連覇となりました。
休み明けの実績はあるとはいえ、4か月ぶりには少し不安がありました。実際に4コーナーを回った時は10番手ぐらいで、さすがに今回はダメかと思われたのですが、そこからじりじりと脚を伸ばし、メンバー2位タイの上り33.0で、先に抜け出したレッツゴードンキをクビ差差し切っての戴冠でした。

スプリンターズSがG1になってから、連覇したのはサクラバクシンオー(1993,94)とロードカナロア(2012,13)の2頭だけ。いずれも名スプリンターと称される馬たちで、この2頭に並んだということは、レッドファルクス自身も同じような評価がされるようになるのかもしれません。

個人的に今年はレッドファルクスを本命にしたのですが、実は昨年は無印でした。その理由として、左回りばかりを使っていて右回りに実績がないということが大きかったのですが、前走で芝のCBC賞を32.7で差し切っていたとはいえ、2走前にダートのOPを勝っていたというのが最大の理由でした。

ダートと芝の両方で活躍した馬は多く、両方でG1を勝ったアグネスデジタルやホクトベガ、アドマイヤドン、イーグルカフェを初め、クロフネ、ヴァーミリアン、エルコンドルパサー、タイキシャトルなどのG1ホースも、両方の重賞を勝っています。
しかしこれらの馬を見て気づくのは、いずれもマイル以上の距離で活躍したということ。タイキシャトルはスプリンターズSを勝っていますが、基本はマイラーでしょう。

スプリンターというのは、やはりスピードの絶対値を要求されるので、ダート競走で求められるのとは異なる資質が必要なのではと思うのです。その意味では、ダートOPを古馬になって制した馬が、スプリントG1を連覇するというのは、やはり異色だと言えるでしょう。

昨年大敗した香港や、届かなかったマイルG1など、まだチャレンジする課題は多いですが、個性的なスプリント王はあっさりこなしてくれるかもしれません。期待したいと思います。

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