リピーターの多いG1 ~安田記念

安田記念が、いわゆるリピーター(上位に入って翌年や翌々年にも上位にくる馬)が多いG1であることは、過去の成績を見ているとすぐに気づきます。
たとえば過去10年の5着以内のリピーターを見てみると、こんな感じです。
・ウオッカ:2008年1着→2009年1着
・スマイルジャック:2010年3着→2011年3着
・ストロングリターン:2011年2着→2012年1着
・グランプリボス:2012年2着→2014年2着
・ショウナンマイティ:2013年2着→2014年3着
・ダノンシャーク:2013年3着→2014年4着
・モーリス:2015年1着→2016年2着
・フィエロ:2015年4着→2016年3着
なんと10年間で8頭がリピートしています。

この理由としては、コース適性やこの季節が合うなど個別にはいろいろあると思いますが、やはりコースが大きく影響しているのではないでしょうか。よく東京のマイルは、スピードだけでなく2000mぐらいもこなすスタミナも必要と言われてきました。ということは、他の競馬場のマイルとはちょっと違う特性が求められるのかもしれません。
そこで同じ舞台で行われる古馬のG1であるヴィクトリアマイルの、過去10年のリピーターについても見てみました。
・ウオッカ:2008年2着→2009年1着
・ブエナビスタ:2010年1着→2011年2着
・アパパネ:2011年1着→2012年5着
・ホエールキャプチャ:2012年1着→2013年2着→2014年4着
・ドナウブルー:2012年2着→2013年5着
・ヴィルシーナ:2013年1着→2014年1着
・ストレイトガール:2014年3着→2015年1着→2016年1着
競走生活が短く消長が激しい牝馬においても、10年で7頭(うち2頭は3回)のリピーターとなっていたのです。他のG1を調べたわけではないので、東京マイルに特徴的なことなのかはわかりませんが、少なくてもこの2レースを予想するうえで、リピーターの存在を意識することは必要でしょう。

このことを調べたのは、今年の安田記念においても、リピーターをどう評価するかが予想に大きく影響することになったからです。
1着になったのは昨年3番人気で4着に敗れたサトノアラジンでした。昨年はロゴタイプが600m35.0のスローで逃げ、サトノアラジンは中団から33.6の上りで追い込んだものの、1 1/2差の4着に終わりました。それを今年は後方から大外を一気に追い込み、ロゴタイプをクビ差交わして、昨年の雪辱を果たしました。
そして2着に逃げ粘った昨年の覇者ロゴタイプ。直線で後続を突き放したときは、まさに昨年のレースのリプレイを見ているようでしたが、最後に差されてクビ差の2着。しかしタイムは昨年を1.5秒上回る優秀なもので、改めてこの条件での強さを感じさせました。

結局今年の上位2頭は昨年のリピーターだったということで、またもやリピーターが多いG1であるという説を裏付ける形になったのです。
しかしもちろん例外もあります。今年1番人気に支持されて8着に終わったイスラボニータは、昨年は5着に好走していました。また9着のクラレントは2年前に3着に入っていますが、4年連続の出走となったものの、その着順は10,3,8,9着と好走は1回だけ。

つまり安田記念の予想に当たっては、リピーターを重視する必要があるものの、まずはその中でどの馬が来るかを見極めることが必要だということ。そしてもちろん前年は出ていなくて好走する馬(今年で言えばレッドファルクス、グレーターロンドン、エアスピネル)もいるので、それをしっかり取り上げること。これが的中するための基本的なスタンスになるのです。
しかし昨年上位の馬同士を買うだけで、馬連万馬券になるなんて、終わってみれば簡単なんですけどね。来年の教訓にしたいと思います。

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