2016クラシックの展望 ~その2

この土日は、クラシックに向けての重要なトライアルが行われました。牡牝ともにやや抜けた存在がすでに2月の重賞を勝っており、その有力な対抗馬が現れるかが大きな関心事でしたが、どちらも期待に沿う結果になったと思います。

まず3/5(土)に行われた桜花賞トライアルのチューリップ賞から。
1番人気はシンザン記念を後方から1番の上り34.5でクビ差2着に迫ったジュエラー。2番人気はOP紅梅Sを後方から上り33.7でハナ差1着のシンハライト。
2頭ともに後方集団のほぼ同じ位置から4コーナーで外に出し、直線は馬体を接したまま外から追い込み、最後はハナ差でシンハライトがジュエラーを下しました。タイムは1.32.8と優秀で、上りもともに33.0。勝敗はつきましたが、上りは同じで着差もないに等しく、まさに実力伯仲の2頭。3着は1 1/2馬身差ついており、この2頭がやや抜けた力を持っていると言えるでしょう。

問題はクイーンCを圧勝して、目下牝馬クラシック戦線では抜けた存在のメジャーエンブレムとの力関係ですが、単純に持ちタイムはメジャーエンブレムがクイーンCで出した1.32.5に軍配が上がるものの、上りは差し脚質の2頭が、当たり前ですがかなり優秀。
ただメジャーエンブレムは自分でレースを作れて、しかも速いペースで行っても最後まで脚が上がらないというのは、数字以上の強さを感じさせます。おそらくペースは後ろから行くシンハライトとジュエラー向きになるでしょうが、果たしてメジャーエンブレムを差せるか。
いずれにしても、桜花賞はかなりおもしろい戦いになりそうです。

そして今日行われた皐月賞トライアルの弥生賞。
朝日杯FSの1,2着馬リオンディーズとエアスピネルに加えて、父ディープインパクトと同じ戦績で若駒Sを上り32.6で圧勝して無敗で出てきたマカヒキの3強という状況になりました。
結果としては3強が1~3着を占め、しかも3着と4着が5馬身離れたので、今日のメンバーではこの3頭のみがクラシック候補と言えるでしょう。

レースは久々のリオンディーズとエアスピネルがやや掛かったのに対して、マカヒキは折り合って後方で進めます。特にリオンディーズは後方2番手から追い込んだ朝日杯FSとは一転して、M.デムーロ騎手が懸命に抑えるものの先行集団のすぐあとの4番手を追走。エアスピネルもそれをマークするようにその直後を進みます。
リオンディーズは4コーナー手前から馬なりで進出し、直線で追い出すと一気に加速。掛かったにもかかわらずこの強さかとちょっと驚いたのですが、それに追いすがってきたのがエアスピネルとマカヒキ。そのままリオンディーズが振り切るかと思ったのですが、外からじりじりと迫ってきたマカヒキがエアスピネルを交わし、さらにゴール直前でリオンディーズも交わして、クビ差1着でゴール。エアスピネルはリオンディーズから2馬身差の3着。

マカヒキは1/23から1か月半の間隔だったのに対して、リオンディーズとエアスピネルは12/20から2か月半ぶりのレース。かなり掛かりながらもクビ差2着のリオンディーズは、逆にその強さを見せて決して悲観するような内容ではありませんでしたが、マカヒキも父に劣らない力の持ち主であることを見せたと思います。
ただしエアスピネルは2戦続けてリオンディーズには完敗で、2000m以上ではちょっと逆転は難しいかという印象でした。

こちらも、きさらぎ賞を圧勝したサトノダイヤモンドとの力関係がどうかですが、距離も異なるので比較するのはかなり難しいです。ただし掛かる素振りもなく好位から抜け出したサトノダイヤモンドの安定したレースぶりはかなり印象深く、もしリオンディーズが掛かるようなら厳しいですし、マカヒキが今日のように後ろから行くと脚を余す危険が多い気がします。

ただし各陣営とも当然対策をしてくるでしょうし、ともに折り合って同じような位置で進めた場合、どうなるかはかなり微妙で、皐月賞もとても興味深いレースになりそうです。

牝馬はフィリーズRやフラワーC、牡馬はスプリングSや毎日杯が残っており、そこからどんな馬たちが出てくるか、まだまだ目が離せません。

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