牝馬の引退レースですが見事でした ~有馬記念

今年の有馬記念はG1馬が10頭という豪華メンバーで、1番人気が3.5倍、単勝倍率1桁が4頭とかなりの混戦となりました。
その混戦を制したのは、単勝4番人気の牝馬ジェンティルドンナでした。中山競馬場のG1レースではディープインパクト産駒の勝利はなく、かつジェンティルドンナ自身も中山は初という状況。しかもこの秋はG1で2着、4着と2戦続けて敗れており、正直言って苦戦するのではと個人的にも思っていました。

レースはヴィルシーナが逃げてJCを圧勝したエピファネイアが2番手。ジェンティルドンナは前2頭とはやや離れた4番手を追走します。ペースはかなり遅く、エピファネイアなど懸命に抑える馬が多い中、ジェンティルドンナは折り合って進みます。
3コーナーでゴールドシップが後方から進出を開始し、つれてペースが上がる中、エピファネイアが早め先頭から直線は突き放します。しかしJCのような伸び脚は見られず、外から並びかけたジェンティルドンナとの叩き合いに。坂を上ってジェンティルドンナが抜け出すと、差してきたトゥザワールド、ゴールドシップ、ジャスタウェイなどを抑えて先頭でゴール。見事に引退レースで勝利で飾りました。

競馬の格言の一つに、「牝馬の引退レースは消し」というものがあります。実際にそれに従ってジェンティルドンナの狙いを下げた人もいるのではないでしょうか。牝馬の場合、引退後の繁殖を考えて、最後はあまり無理をさせないこといが多いために、そういう格言ができたのではないかと思います。
そこで何頭か強かった牝馬について調べてみました。実際は故障や調子落ちなどで、仕方なく引退する場合が多く、今回のジェンティルドンナのようにあらかじめ引退レースと決めて終わることはあまり多くないのですが、その数少ないケースは下記のような結果でした。

エアグルーヴ(5歳) 有馬記念(1998年) 2番人気 5着
メジロドーベル(5歳) エリザベス女王杯(1999年) 2番人気 1着
アドマイヤグルーヴ(5歳) 阪神牝馬S(2005年) 2番人気 1着
ブエナビスタ(5歳) 有馬記念(2011年) 2番人気 7着
ジェンティルドンナ(5歳) 有馬記念(2014年) 4番人気 1着

これを見ると、意外と勝っている馬が多い印象です。ただしジェンティルドンナ以外の勝ち馬2頭は牝馬限定戦で、有馬記念を引退レースにしたエアグルーヴ、ブエナビスタは人気を裏切って着外に負けています。これからも、いかにジェンティルドンナの今回の勝利がすばらしいことかがわかるのではないでしょうか。
しかも今回の優勝で、ジェンティルドンナのG1勝利数は7。これはシンボリルドルフやディープインパクトなどと並ぶ芝のG1勝利数1位のタイ記録。牝馬ではウオッカに続く偉業となります。その中身も、JC連覇やドバイでの勝利など、まさに男勝り。今回の有馬記念制覇で、最強牝馬と言っても過言ではない戦績となりました。

今後の楽しみは、その産駒でしょう。サンデーサイレンス系の種牡馬が多いので配合は難しいかもしれませんが、ぜひ自身を超えるような産駒を生み出してくれることを期待したいと思います。

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