ハープスターはどれぐらい強いのか ~桜花賞

今年の桜花賞は、ハープスターが単勝1.2倍の圧倒的1番人気に応えて優勝しました。その強さは戦前から予測されており、どのような勝ち方を見せるのかだけが焦点だったと言っても過言ではないかもしれません。
ハープスターは阪神JFこそレッドリヴェールの驚異的な粘りにハナ差屈しましたが、チューリップ賞は次元が違うレースぶりで圧勝。阪神JFで上位だったレッドリヴェール、フォーエバーモア以外とは勝負付けがついたイメージでした。

レースではハープスターはスタート直後に後ろに下げ、4コーナー手前までは最後方を進みます。いくら馬を信じているとはいえ、単勝1.2倍の圧倒的な人気を背負っていると、騎手としては最後方を進むのは、かなり勇気がいることでしょう。実際に川田騎手もインタビューではかなり緊張したと語っています。
近年は落ち着いたペースが多い桜花賞ですが、逃げたフクノドリームは600mが33.8と早いペースで大逃げを打ちます。直線に入っても2番手以降とは6馬身以上離れており、本当に届くのかと心配になりました。しかし残り200mぐらいから後続が一気に迫り、残り100mを切ってレッドリヴェールが先頭に躍り出ますが、最後はハープスターが粘るレッドリヴェールを、測ったように差し切りました。

その着差はクビ差。さらに差してきたヌーヴォレコルトは2着から3/4差の3着。残念ながらハープスターは勝ったとはいえ、チューリップ賞のような圧勝という感じではありませんでした。では、その強さはどれぐらいのものなのでしょう。

まず勝ちタイムですが、過去10年ではアパパネが勝った2010年と並んで最速となる1.33.3。ただしアパパネは好位からレースを進めていて上りは34.1と平凡です。この年は逃げたオウケンサクラが2着に粘っておりペースはスロー。淀みのない流れと時計の早い馬場が要因といえるかもしれません。
次に上りタイムですが、ハープスターの32.9は過去10年でもっとも早かった2009年のブエナビスタの33.3を破る最速記録。ちなみに勝ち馬で34秒を切る上りを記録したのは、ダイワスカーレットとブエナビスタの2頭だけです。

こうしてみて見ると、タイム的には3冠牝馬のアパパネや、有馬記念勝ちのダイワスカーレット、天皇賞(秋)やJCを制したブエナビスタという過去の偉大なる牝馬を、3歳春の時点では上回る成績を上げたと言えるでしょう。
もちろん競馬はタイムだけで決まるわけではないですが、少なくとも名牝となるだけのポテンシャルを持っているのは間違いないわけです。

今後はオークスから、秋には凱旋門賞挑戦のプランもあるそうで、夢は大きく広がります。まずは無事にいって、秋にはさらなる大輪の花を咲かせることをぜひ期待したいと思います。

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