そんなに強かったっけ?ジャスタウェイ ~天皇賞(秋)

今日の天皇賞(秋)は、単勝5番人気のジャスタウェイが、2着の1番人気ジェンティルドンナに4馬身差をつける圧勝で終わりました。で、最初に出てきた感想が、タイトルの言葉・・・。
ジャスタウェイといえば、東京の芝1800mに強いんだけど勝ちきれないとか、勝たないのになぜか人気になるというイメージが強く、前走の毎日王冠の末脚はすばらしかったのですが、2勝馬だし2000m以上には実績がないということもあり、さすがに重い印は打てませんでした。
調教も、パドックの様子も、なかなかよかったので、連下としては押さえましたが。

そんなこともあり、レース中はおもにジェンティルドンナの動向を気にしていました。
スタートを決めたジェンティルドンナは、トウケイヘイローを行かせて2,3番手につけますが、休み明けもあってか、最初はかなり行きたがるそぶりを見せて、ちょっとひやっとさせられました。しかも1000mが58.4という速めの流れを、先団につけていきます。
そして4コーナーを回ると、早くも追い出したトウケイヘイローに離されまいと、ジェンティルドンナの岩田騎手も猛然と追い出しにかかり、逃げるトウケイヘイローに並びかけます。そこに1頭だけまったく違う脚で迫ってきたのがジャスタウェイでした。
残り200mでジェンティルドンナを交わして先頭に立つと、一気に引き離して、その時点で勝負ありという感じ。1頭だけ34秒台(34.6)の上がりで、4馬身差の完勝でした。

しかし、いつこんな強さを身につけたのでしょう。
昨年の天皇賞(秋)は6着に好走したものの、そのあと年内は休養し、復帰したのは今年の正月の中山金杯。そこで1番人気3着に破れると、京都記念1番人気5着、中日新聞杯2番人気8着と人気を裏切り続けます。
いったん3ヶ月休養して、復帰したのが得意の東京芝1800mで6月に行われるエプソムC。ここで後方から最速の32.7で追い込んで2着に入ると、8月の新潟芝1600mの関屋記念、10月の東京芝1800mの毎日王冠と、いずれも最速の上がりで2着。特に毎日王冠は上がりの早いレースに対応して、中団から差すという器用な面も見せます。

エプソムC、毎日王冠でともに見せた究極の上がり32.7が、今から思えば今日の天皇賞(秋)の圧勝を暗示していたのかもしれません。2000m以上に実績がないとはいえ、父は有馬記念や芝2400mのドバイシーマCを制したハーツクライですし、母父は2000mの第1回BCクラシックを勝ったワイルドアゲインと、血統的には何の問題もないのです。
知らないうちに成長していたのに、気づかなかったということなのでしょう。

兆候に気づくというのは、なかなか難しいのですが、大レースに勝つ馬は、どこかで必ずその片鱗を見せているはずです。それに気づける観察眼と洞察力を磨きたいものです。

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