スプリントG1 3連勝、そしてスプリンターズS連覇という偉業に挑んだカレンチャンの挑戦は、同厩舎の後輩であるロードカナロアの前に、3/4馬身差でついえました。
過去にスプリンターズS連覇を達成したのは、サクラバクシンオーただ1頭。
またスプリントG1 3連勝は、フラワーパークが1997年の高松宮記念で8着に、トロットスターが2002年の高松宮記念で5着にそれぞれ敗れ、2003年に挑んだビリーヴはスプリンターズSでデュランダルにハナ差で2着に敗れて、いずれも実現できませんでした。
これだけの名馬でさえ達成できなかった、とても大変で、偉大な記録でもあったわけです。
ただしカレンチャン自身、昨年の勝ちタイムよりも0.6秒も早いタイムで走っており、また上がりも33.7と、こちらも昨年より0.1秒早いので、決して力負けではないと思います。やはり厳しいマークを受けたこと、そしてハイペースのレコード決着で、後ろにいたロードカナロアの方に展開が向いたことなどが、勝てなかった理由ではないかと思います。
勝てなかったとはいえ、力があるところは十分に見せてくれたカレンチャン。これが国内では最終戦という話ですが、偉大なスプリンターの1頭として、名前を残せたと思います。
そして勝ったロードカナロアは、なんとなく勝ちきれないイメージがつきかけていたものの、実はデビュー以来1度も4着以下がないという堅実派で、ようやくG1ホースの仲間入りとなりました。しかもレースレコードとコースレコードを更新する、1.06.7での堂々たる勝利(JRAレコードはアグネスワールドの1.06.5)。
馬体の割には、ちょっと頼りない感じもあったのですが、今日のパドックでは堂々と歩いており、充実の4歳秋を迎えて、風格も出てきました。
新たな安田厩舎のエースとして、スプリント界を引っ張っていくことを期待したいと思います。