厳しい戦いを底力で制して3冠達成 ~秋華賞

ジェンティルドンナが秋華賞を勝って、メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネに続く史上3頭目の牝馬3冠を達成しました。おめでとうございます。

オークスはヴィルシーナに5馬身という圧倒的な差をつけ、夏を挟んだローズSでも1 1/2差とはいえ楽勝に見えたジェンティルドンナは、追い切りも絶好調という感じで、楽に3冠を達成するのではと思われました。
しかし注文をつけてハナを切ったライバルヴィルシーナの作る流れは超スロー。しかも途中から一気にハナを奪ったチェリーメドゥーサが6馬身差以上差をつけて、ペースを乱します。中団につけたジェンティルドンナはやや行きたがるそぶりで、鞍上の岩田騎手としても、かなり悩ましかったのではないでしょうか。

直線を向いたときは、チェリーメドゥーサは遥か彼方だし、ヴィルシーナも3馬身以上離れています。しかも直線の短い京都内回りコース。残り200mを切ってもチェリーメドゥーサとの差は5馬身以上あり、この時点で大荒れを覚悟した人も多かったでしょう。

しかし残り100mぐらいでヴィルシーナを捕らえると、あわせ馬のように2頭で一気に伸びて、急激に末足が衰えたチェリーメドゥーサをゴール直前で交わします。
あとは2頭のマッチレースで、お互いに相譲らず、ハナをあわせてゴール。写真判定で、ハナ差ジェンティルドンナが前に出ていて、見事に3冠馬となりました。

スローを見越して前に行ったヴィルシーナを捕らえた末足、そして4コーナーで直後にいて、かつ同じぐらいの上がりを記録しているアロマティコやブリッジクライムを寄せ付けなかったレースぶりは、まさに底力としか表現できないものだと思います。やはり、3冠を達成するためには、実力や運にプラスアルファが必要なのかなと思わされました。

おそらくヴィルシーナの内田騎手としては、うまくはまったという感が強かったのではないでしょうか。しかしゴール前で追いつかれ、最後はたたきあいに持ち込んだものの、またもや勝てませんでした。
これでヴィルシーナはジェンティルドンナに4連敗。ジェンティルドンナさえいなければ、ヴィルシーナが3冠馬になっていたわけですから、悔しさもひとしおでしょう。ぜひ雪辱を期して、がんばってほしいと思います。

過去の3頭の3冠牝馬は、その後の成績はあまりぱっとしませんでした。ジェンティルドンナには、そのあたりのジンクスのようなものもぜひ打ち破ってもらい、さらなる活躍を期待するとともに、ヴィルシーナとのライバル対決も盛り上げてもらいたいものだと思います。

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