今年の安田記念は、8番人気の関東馬ショウワモダンが優勝しました。しかし8番人気とはいえ、前日は単勝1桁の倍率だったように、かなり人気が割れた状態での1着でした。
ショウワモダンといえば、オープンでうろうろしており、重賞では足りないというイメージの馬だったのですが、2走前のダービー卿CTを56kgで制すると、続くOPのメイSも6番人気を覆して勝ち、なんとその勢いでG1まで勝ってしまいました。
鞍上の後藤Jは、2002年の安田記念を7番人気のアドマイヤコジーンで差しきって初G1制覇を果たし、ウイニングランの馬上で号泣したシーンが印象的でしたが、今回もやはり泣いていました。
ゴールでは半馬身ほど抜けていたので、当然勝ったことはわかったのでしょう。ガッツポーズを繰り返したあと、8年前と同じように1周ゆっくりと流してきて、残り200mぐらいのところで涙を抑えられなくなり、馬の首にしがみついてしばらく泣いたあと、観客席に礼をしていました。
大きなターフビジョンにその様子が大写しされたので、あたたかい声援と拍手が沸き起こりました。
後藤JのG1制覇は、2002年の安田記念のあと、2004年朝日杯FSのマイネルレコルト、2006年JCダートのアロンダイトに次ぐ4勝目ですが、やはり初G1を勝った安田記念ということで、特別な思いがあったのでしょうか。先週の日本ダービー2着も影響したのかもしれません。
重賞を勝ったあとのインタビューでギャグをやって視聴者を楽しませる反面、2007年の中山記念では、師匠の伊藤正徳厩舎のローエングリンで6番人気を覆して優勝し、インタビューで泣きじゃくるなど、サービス精神旺盛で涙もろい、人間味あふれるジョッキーです。まじめな受け答えが多い騎手の中では、特異な存在といえるかもしれません。
これからもファンをいろいろな意味で楽しませていってもらいたいと思います。
G1制覇、おめでとうございました。