連勝で人気の馬を素直に信じられない? ~皐月賞

今年の皐月賞は見事にヴィクトワールピサが勝って、5年ぶりに1番人気の勝利に終わりました。後方に下げて内に入れ、道中はラチ沿いの最短距離を走って、3コーナーから内をするすると上がっていき、直線はぽっかりと空いた内をついて一気に先頭に立つと、そのまま押し切りました。
展開はやや違いますが、内から伸びてきたのは弥生賞と同じで、同じように余裕の勝利という感じでした。

普通だったら、ラジオNIKKEI杯、弥生賞と王道の重賞を含む4連勝で皐月賞に臨めば、単勝1倍台の圧倒的な1番人気が予想されるのですが、最終的に2.3倍と意外とつく結果になりました。しかも単勝1桁の馬が5頭もいるという、オッズだけ見れば混戦とも呼べる状況です。
なぜこんなにヴィクトワールピサは信頼度が低かったのでしょうか。

それはここ最近の、皐月賞での人気馬の凡走が背景にあるのではないかと思います。
まずなんといっても昨年の1番人気ロジユニヴァース(1.7倍)、2番人気リーチザクラウン(5.3倍)の大凡走が記憶に新しいところです。
ロジユニヴァースは当時デビューから4連勝中で、しかも札幌2歳S、ラジオNIKKEI杯、弥生賞の重賞を3連勝と、ヴィクトワールピサを上回るような完璧な成績で皐月賞に出走してきました。しかし見せ場もなく、1.7倍を大きく裏切る14着に大敗。リーチザクラウンも13着に敗れました。(その後、2頭はダービーで1,2着して力があることを証明しますが)

2008年は、ホープフルS、京成杯、弥生賞と中山芝2000mを3連勝で臨んだマイネルチャールズが、3.1倍の1番人気を裏切って3着に敗退。
2007年はデビュー4連勝で重賞3連勝中のフサイチホウオー(2番人気で3.7倍)が3着、2006年は同じくデビュー4連勝中のフサイチジャンク(2番人気で5.6倍)が3着と、ことごとく連対をはずしてきたのです。
これを見ると、連勝中の人気馬は危ないと思ってしまっても、仕方ないでしょう。

もちろん負けた理由はそれぞれいろいろあるのですが、3歳春の若駒でしかもまぎれが多い中山コースとなれば、すけべ心を出して、人気馬のあら捜しと穴馬探しに懸命になる人が多くなるのも、ある意味納得できるのではないでしょうか。

しかしそんな努力をあざ笑うかのように、ヴィクトワールピサは見事に5連勝での皐月賞制覇を成し遂げました。1番人気での勝利は、過去10年ではアグネスタキオン、父であるネオユニヴァース、3冠馬ディープインパクトに続く4頭目の偉業です。
しかも皐月賞で引退したアグネスタキオン以外の2頭は、ともにダービーも制しています。こうなるとヴィクトワールピサの2冠制覇もかなり現実味を帯びてくるわけですが、はたしてどうなるのでしょう。

ダービーは武豊J復帰が濃厚のようですが、もし勝てば前人未到どころか空前絶後となるかもしれない、ダービー5勝目になります。楽しみではありますが、他の馬たちの巻き返しにも期待したいと思います。

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