当然ですが、毎年傾向は変わります ~NHKマイルC

東京の芝1600mの傾向としてよく言われるのが、1600m以上の距離で実績のある馬を狙うべきということがあります。たしかにNHKマイルCでも、過去毎日杯(芝2000mから芝1800mに変更)の勝ち馬が参戦した場合、すべて勝っているということがあります。
また過去10年で、1600m以上で勝ちあるいは重賞連対の実績のない馬は61頭参戦していますが、1頭も連対していません。

これを信じると、ファルコンSの勝ち馬で芝の2勝はいずれも1200mのジョーカプチーノ、3勝はすべて1200mで1600mは走ったことすらないグランプリエンゼルなどは、まず馬券の対象からはずしてしまいます。
ところが今日のNHKマイルCでは、この2頭が1,3着に好走しました。ではその要因は何でしょう。

まずはペースがあげられると思います。ゲットフルマークス、ジョーカプチーノが離して逃げる展開でしたが、600m通過が34.3と平均ペース。実は見た目以上にスローで、2番手のジョーカプチーノ、離れた3番手のグランプリエンゼルには楽なペースだったのです。

そしてもうひとつ大きいのは、この2頭が血統的には必ずしもスプリンターではないことではないかと思います。
ジョーカプチーノは父が菊花賞、有馬記念、天皇賞(春)を勝ったマンハッタンカフェで、母父はダービー馬のフサイチコンコルド。これはどう見ても2000m以上が得意としか思えない血統です。
またグランプリエンゼルは父が天皇賞(秋)や安田記念、マイルCSを勝ったアグネスデジタルで、母父は万能のサンデーサイレンス。こちらもマイル以上に適性がありそうです。
これに対して逃げて12着だったゲットフルマークスは、父がスプリンターズSを勝ったマイネルラヴで、母父がスピード血統のダンチヒ。

この時期は厩舎でも距離適性をつかみかねていたり、掛かる気性だったりするため短距離を使っているケースがあるようですが、マイルのG1に挑戦してみたら、距離が持ってしまったということではないでしょうか。

東京の芝1600mがスピードとスタミナの両方を求められるコースであるということは変わらない事実ですが、それもメンバーやペースによって変わってくるわけです。
それを柔軟な考えで受け止めて予想をしないと、今日のような馬券はとれないわけですね。これまでの戦績をもとに、硬直的な判断をしてはいけないという教訓になりました。

ところで今日の勝ちタイムは、2004年のキングカメハメハを0.1秒上回るレースレコード。これでダービー出走の話も出てくるでしょう。ファルコンSを勝った馬がダービーに出てきても、例年なら検討の対象にもならないでしょうが、果たして今年は・・・。
柔軟な判断がまた必要になるかもしれません。

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