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2010年11月28日

G1 6勝目は幻に ~ジャパンカップ

大外からいつものように素晴らしい末脚で差してきて一気に先頭に立ったときは、これでブエナビスタのG1 6勝目と、年度代表馬はほぼ決まりかと思ったのですが・・・。
スミヨン騎手はウィニングランを1コーナーからウィナーズサークスを過ぎるまでして、さらにムチを客席に投げ込んで、ヘルメットをとって大きなアクションでアピールまでして喜びを爆発させていましたが、その後の長い審議に、東京競馬場は不安なざわめきに包まれました。

審議の間に何度もレースのリプレイが流れるのですが、直線入ってすぐにブエナビスタが内によったことでメイショウベルーガが押されて、その内の馬が何頭か不利を受けた場面と、追い込んできたブエナビスタにローズキングダムが馬体を合わせて、内のエイシンフラッシュとの間に挟まれる場面、そのあとにさらにブエナビスタが内にささって、ローズキングダムの武豊騎手が追えなくなっている場面が、繰り返されました。

昨年の秋華賞で2位入線して3着に降着になった前科を持っているブエナビスタなので、心配しながら結果を待っていたのですが、やはり2着に降着となりました。
パトロールビデオを見ると、最後の場面でブエナビスタはローズキングダムの前に入ってしまっているし、ローズキングダムがヴィクトワールピサを交わしたことから明らかにまだ脚が残っているので、降着も仕方ないかなと思います。

JRAのG1で1位入線しながら降着となったのは、2006年エリザベス女王杯のカワカミプリンセス以来だと思いますが、ブエナビスタは2位から3位への降着を一度経験しており、G1上位入線で二度の降着というのは、初めてではないでしょうか。

今日の東京競馬場は、30回目のジャパンカップを記念して、1985年の優勝馬シンボリルドルフが来場して、パドックとローズガーデンでお披露目されていました。
そのシンボリルドルフが4歳(当時は5歳)でジャパンカップを制してG1 6勝目を達成。シンザンの旧8大競走5勝という記録を塗り替えたのですが、無事であればブエナビスタもその記録に並んでいたわけで、大変残念な結果となりました。

ローズキングダム陣営としても内心複雑だとは思います。馬主が同じということもあり、表彰式でも橋口師をはじめ、固い表情をされていました。
しかし大きな不利を受けながら、ゴールぎりぎりでヴィクトワールピサを交わしたのは大したものだと思いますし、不利がなければきわどい勝負だったと思います。決してG1馬として恥ずかしくはないでしょう。

今後のローテーションは現時点ではわかりませんが、ぜひ有馬記念で決着をつけて欲しいと思います。ブエナビスタは昨年2着に入っており、ローズキングダムも朝日杯で初G1を飾った験のよいコースなので、舞台として不足はないでしょう。

しかし毎度思うのですが、上位入線馬の降着・失格はとても残念だし、関係者の心情を考えるとつらいものがあります。すべてひっくるめて競馬なのですが、願わくば大レースぐらいはすっきりと決まってもらいたいものです。

ローズキングダム

2010年11月21日

ジンクスは常に破られる? ~マイルCS

マイルのG1は数多くありますが、特に東京のマイルG1と京都のマイルCSでよく聞くのが、マイルよりも長い距離に実績がある馬が有利というものです。
たしかに過去10年の連対馬では、デュランダル以外にはすべて1800mでの勝利経験があり、またデュランダル(前走スプリンターズS1着、2着)とゼンノエルシド(前走スプリンターズS1番人気10着)、スーパーホーネット(前走スワンS1着)以外は、すべて1600m以上の重賞からマイルCSに臨んでいます。しかも連対したのべ20頭中12頭が、前走1800m以上のレースを走っているのです。

この傾向を見ると、連対馬の条件としては、前走で1600m以上(1800m以上が有力)の重賞を使うか、1200mのG1で連対か1番人気、あるいは1400mのG2で1着ということが導き出されます。特に最近はスワンS組が不振ということもあり、スワンSで8着に敗れたエーシンフォワードは13番人気という低評価になってしまったのでしょう。

たしかにエーシンフォワードは1400mが4・0・1・3に対して、1600mは1・3・1・4と、芝1400mのスペシャリストのイメージが強かったのは事実です。現に唯一勝った重賞は、今年の阪急杯(阪神 芝1400m)でした。それもあって、安田記念の前哨戦の京王杯SC(東京 芝1400m)、そしてマイルCSの前哨戦スワンS(京都 芝1400m)では、いずれも1番人気に支持されたのでしょう。

それが安田記念では9番人気、そして今日のマイルCSでは13番人気と、絵に描いたような人気薄の実力馬状態になっていました。まあ人気になった前哨戦で、4着、8着と敗れたのが、人気急落の大きな原因ではありますが。

昨年は8歳馬のカンパニーがあざやかに差し切り勝ちをおさめ、7歳以上は来ないというジンクスを打ち破ったばかりですが、今年はエーシンフォワードが、長い距離からの距離短縮の馬を狙うべきというジンクスを破ってくれました。これで来年以降はまた悩みが増えることになりましたが。

今日のマイルCSを見返してみると、エーシンフォワードが先週のスノーフェアリーのように、空いている内に切れ込んで、早めに抜け出していることがわかります。エーシンフォワードは距離に不安があるので、さすがに最後は詰め寄られましたが、京都のG1必勝法は、中団から思い切って内をつく戦法かもしれません。
ただファンの立場としては、誰がそういう戦法をとるのかわからないのが、残念な点ではありますが。

2010年11月14日

作戦勝ち&意外な切れ味 ~エリザベス女王杯

今年のエリザベス女王杯は、国際レースになって初めて外国馬の勝利となりました。イギリス調教馬としてJRAのG1勝利は、2005年のJCを勝ったアルカセット以来ではないかと思います。
勝ったスノーフェアリーは、イギリスとアイルランドのオークスを勝っており、その後G1を2,4着と善戦しての来日でした。ダンロップ師は日本の馬場への適性があると判断して、凱旋門賞やブリーダーズC参戦を見送っての来日とのことなので、まさにしてやったりでしょう。しかもJRAからのボーナスで、勝てば賞金が倍になるので、本気で臨んだことは間違いありません。

ただし評価としては、ヨーロッパの馬が日本の高速馬場に適性があるかは半信半疑ということもあり、単勝8.5倍の4番人気にとどまりました。
それがまさかあんな切れのある脚を披露するとは、かなり驚かされました。持ちタイムも芝2400mで2分30秒台、芝2000mで2.06.9と、日本の重馬場でもかなり遅い時計からは、ちょっと想像できない切れ味でした。

しかし大きな勝因は、ムーア騎手のコースどりではないでしょうか。4コーナーで大きく空いた内に切れ込むと、大きなアクションで馬を追って残り200mぐらいで先頭に立ち、一気に5馬身ほど差を広げてセーフティリードとしてしまいました。
以前ペリエ騎手が、ヨーロッパの騎手仲間に対して、日本の競馬は4コーナーで内が空くことが多いので、内でじっとしていれば勝てると言ったそうですが、まさにそういう展開になりました。

先行した3頭の騎手はいずれも若手だったこともあり、4コーナーは大きく外を回っています。京都の外回りは、3コーナーからの下りで勢いがつき、また直線に入ったところに内ラチがないこともあって、内が空きやすいのですが、先行勢が外にふくらんだためか、後続も外を回る馬が多くなってしまいました。
唯一、武豊騎手のコロンバスサークルがうまく内をついて抜け出そうとしましたが、やはり馬の力が違ったということでしょうか。

残念だったのは、メイショウベルーガです。10RのドンカスターS(芝2200m)で、池添騎手がうまく内をついて勝利をあげたので、エリザベス女王杯でも同じ作戦をとるかと思ったのですが、外に出してしまい、アパパネは交わしたものの、4馬身差の2着に終わりました。
結果論ですが、内をついていれば、もっときわどい勝負に持ち込めたのではないかと思います。

アパパネは、調教に覇気があまり感じられず、秋華賞の疲れがあるのではと思って少し狙いを下げたのですが、やはり3冠達成に向けて仕上げた影響があったのではないでしょうか。それでもリトルアマポーラとの競り合いを制したのは、勝利への執念だったと思います。

国際色豊かな競馬は、予想は難しいものの、華やかで楽しいですね。来週のマイルCSから、JC,JCダート、そして今年は東京で行われるワールドスーパージョッキーズシリーズなど、楽しみたいと思います。