ジンクスは常に破られる? ~マイルCS

マイルのG1は数多くありますが、特に東京のマイルG1と京都のマイルCSでよく聞くのが、マイルよりも長い距離に実績がある馬が有利というものです。
たしかに過去10年の連対馬では、デュランダル以外にはすべて1800mでの勝利経験があり、またデュランダル(前走スプリンターズS1着、2着)とゼンノエルシド(前走スプリンターズS1番人気10着)、スーパーホーネット(前走スワンS1着)以外は、すべて1600m以上の重賞からマイルCSに臨んでいます。しかも連対したのべ20頭中12頭が、前走1800m以上のレースを走っているのです。

この傾向を見ると、連対馬の条件としては、前走で1600m以上(1800m以上が有力)の重賞を使うか、1200mのG1で連対か1番人気、あるいは1400mのG2で1着ということが導き出されます。特に最近はスワンS組が不振ということもあり、スワンSで8着に敗れたエーシンフォワードは13番人気という低評価になってしまったのでしょう。

たしかにエーシンフォワードは1400mが4・0・1・3に対して、1600mは1・3・1・4と、芝1400mのスペシャリストのイメージが強かったのは事実です。現に唯一勝った重賞は、今年の阪急杯(阪神 芝1400m)でした。それもあって、安田記念の前哨戦の京王杯SC(東京 芝1400m)、そしてマイルCSの前哨戦スワンS(京都 芝1400m)では、いずれも1番人気に支持されたのでしょう。

それが安田記念では9番人気、そして今日のマイルCSでは13番人気と、絵に描いたような人気薄の実力馬状態になっていました。まあ人気になった前哨戦で、4着、8着と敗れたのが、人気急落の大きな原因ではありますが。

昨年は8歳馬のカンパニーがあざやかに差し切り勝ちをおさめ、7歳以上は来ないというジンクスを打ち破ったばかりですが、今年はエーシンフォワードが、長い距離からの距離短縮の馬を狙うべきというジンクスを破ってくれました。これで来年以降はまた悩みが増えることになりましたが。

今日のマイルCSを見返してみると、エーシンフォワードが先週のスノーフェアリーのように、空いている内に切れ込んで、早めに抜け出していることがわかります。エーシンフォワードは距離に不安があるので、さすがに最後は詰め寄られましたが、京都のG1必勝法は、中団から思い切って内をつく戦法かもしれません。
ただファンの立場としては、誰がそういう戦法をとるのかわからないのが、残念な点ではありますが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です