
浦河にある宿泊施設を中心とした「うらかわ優駿ビレッジAERU」。広大な敷地では乗馬をはじめとしたさまざまなアクティビティも楽しめます。
そしてその一角には、功労馬が繋養されています。7:30~16:00の間なら、特に予約なしで訪問して、自由に見学することができます。
長年顔として親しまれたウイニングチケットが2023年に亡くなり、6年前に訪れた時にいた馬はスズカフェニックスだけになっていましたが、新たにオウケンブルースリ、マイネルキッツ、ナカヤマフェスタが仲間入りしていました。
以前は隣接する厩舎でニンジンを売っていて、それを買って自由に馬たちにあげることができたのですが、今回はニンジンをあげたり触れることもすべて禁止となっており、厩舎内への立ち入りもできなくなっていました。
放牧されている馬のたてがみを切られる事件や、その後のコロナ禍を経て対応が厳しくなるところが多く、それは仕方ないことではあるのですが、さみしさも感じました。
ウイニングチケットがいた放牧地には、オウケンブルースリ(2008年 菊花賞)とスズカフェニックス(2007年 高松宮記念)が仲良く放牧されていました。
ジャングルポケット産駒のオウケンブルースリは、明るい栗毛と大きな流星が特徴的で、おもに長距離レースで活躍しましたが、息長くコンスタントに走ったものの、結局重賞は菊花賞を含めて2勝のみ。ただウオッカが勝った2009年のジャパンCで、後ろから追いこんできてハナ差2着まで迫ったレースが印象的です。
ただし種牡馬としては残念ながら産駒に恵まれず、2023年にイーストスタッドからこちらに移ってきたそうです。

スズカフェニックスはあまり印象に残っていないのですが、サンデーサイレンス産駒の数少ないスプリンターであり、数少ない産駒からマイネルホウオウがNHKマイルCを勝ってG1馬になるという快挙も達成しています。

ともに栗毛ではありますが、オウケンブルースリの流星が目立つので、容易に見分けはつきます。ただオウケンブルースリは派手に泥浴びをしたようで、体中泥まみれでした。2頭は仲が良く、草を食べながら着かず離れず、いっしょに移動しているのが印象的でした。
その隣の放牧地にいたのがマイネルキッツ(2009年 天皇賞(春))。個人的にはその天皇賞(春)で万馬券を取らせてもらったのでよく覚えているのですが、事前の予想では買うつもりではなかったものの、パドックの感じがよくて買い目に入れたのです。
長距離戦での活躍のみということもあり種牡馬にはなれず、根岸競馬記念公苑で乗馬をしていたそうですが、2023年に移ってきました。
残念ながら遠くで草を食べていて、こちらには来てくれませんでした。

オウケンブルースリたちの向かいの放牧地にいたのがナカヤマフェスタ(2010年 宝塚記念)。宝塚記念を勝ったことよりも、凱旋門賞で2着に入ったことで有名です。6年前はアロースタッドで会っていて、めずらしくスタッフの方が厩舎から出して、記念撮影をさせてくれたことを覚えています。
産駒はバビットががんばって重賞を2勝しましたが、残念ながらG1には手が届かず。2023年に種牡馬を引退して移ってきました。
こちらも我関せずという感じで、ひたすら草を食べていました。

静かな環境の中で、おだやかに暮らしている馬たちは、とても幸せそうでした。願わくば長生きをして、訪れるファンたちを楽しませてくれればと思います。
うらかわ優駿ビレッジAERUで会えた馬たち
オウケンブルースリ、スズカフェニックス、マイネルキッツ、ナカヤマフェスタ
上記の情報は、2025年9月28日時点のものです。
見学日程や時間、条件や馬の顔ぶれは変更になることがあるので、訪問する際は事前に必ず「競走馬のふるさと案内所」のホームページ( https://uma-furusato.com/ )を確認してください。またそこにある「牧場見学ガイド」を参考に、ルールを守って見学していただけるようお願いします。