2022年度JRA賞発表を受けて

2022年の年度代表馬と競走馬各部門の受賞馬が、記者投票により決定して発表されました。まずはその結果から。

●年度代表馬、最優秀3歳牡馬
イクイノックス
イクイノックス
●最優秀2歳牡馬
ドルチェモア
●最優秀2歳牝馬
リバティアイランド
●最優秀3歳牝馬
スターズオンアース
スターズオンアース
●最優秀4歳以上牡馬
タイトルホルダー
●最優秀4歳以上牝馬
ジェラルディーナ
●最優秀短距離馬
セリフォス
セリフォス
●最優秀ダートホース
カフェファラオ
カフェファラオ
●最優秀障害馬
オジュウチョウサン
●特別賞
なし

昨年末に予想したのですが、残念ながら最優秀障害馬を外してしまいました。とはいえ、票数を見るとオジュウチョウサン138票に対してニシノデイジー137票とわずか1票差。これは今までで最も少ない票差だそうです。
該当馬なしが8票も入ったので、その中の何人かが入れることで簡単にひっくり返る票差。どうせなら同数で2頭受賞というのもよかったのではと思います。
予想の際にも書いたのですが、直接対決の印象よりも、これまでのオジュウチョウサンの功績に投票した人が多かったのではないでしょうか。もちろん結果には、まったく異存はありません。

そのほかいくつか迷う部門もあったのですが、どこも意外と差がつきました。
例えば最優秀短距離馬。今年分からスプリンターとマイラーに分かれるのですが、比較が難しい分、もう少し票数が割れると思ったのですが、288票中セリフォスが156票と過半数を得て選ばれました。
個人的には安定感を買ったのですが、ナランフレグも国内のスプリント戦に限れば安定していましたし、芝・ダート両方のマイルで頑張ったソダシも評価できるでしょう。
ただセリフォスは全5・1・0・2で、着外2もG1でともに4着と掲示板を外していないというキャリアは、やはりすばらしいと思います。

また最優秀ダートホースも、カフェファラオ184票対ジュンライトボルト94票と、ほぼ倍の差となりました。
カフェファラオは、昨年ダートは2戦のみ(他に安田記念17着)。しかしその2戦がG1(フェブラリーS、南部杯)で、かつともに勝利。対するジュンライトボルトはダート3勝でしたがG1,G3,リステッド各1勝。レースの格の違いがあるとはいえ、票差の大きさにはちょっと驚きました。

そして年度代表馬は、予想通りイクイノックスでした。
もし有馬記念の前に投票があれば、タイトルホルダーが勝った可能性もあったでしょうし、有馬記念でもう少しタイトルホルダーが接戦に持ち込んでいたら、そこまで差がつかなかったと思います(イクイノックス282票、タイトルホルダー6票)。
その意味では、有馬記念の勝ち方はかなりインパクトのあるものでした。

しかしイクイノックスの戦歴を振り返れば、もともと2歳時は東スポ杯の勝ち方だけで2歳最強の声もありましたし、それ以来の5か月ぶりという異例のローテーションで臨んだ皐月賞で、あわやの1馬身差の2着にも驚かされました。ダービーは最速の上りでクビ差2着と惜敗でしたし、とても届かない位置から差し切った天皇賞(秋)のパフォーマンスもすばらしいものでした。
タイトルホルダーの天皇賞(春)、宝塚記念も強いレースでしたが、やはりイクイノックスのレースぶりは、年度代表馬にふさわしいものだったと思います。

またイクイノックスの父といえば、G1 7勝をあげたキタサンブラック。父子で年度代表馬という快挙となりました。
ただ個人的には種牡馬としてのキタサンブラックにはやや懐疑的だったので、これほど強い馬を出したことに正直驚かされました。
とはいえキタサンブラック産駒は2021,2022年にのべ169頭出走して70勝も、重賞は5勝。そのうち3勝はイクイノックスがあげたもので、あとはガイアフォース(セントライト記念)、ラヴェル(アルテミスS)のみ。
現状では1頭だけ突出した成績をあげている状況で、キタサンブラックの種牡馬としての評価は、他の産駒が今後どれぐらい活躍するかにかかってきます。

2022年を通しての印象は、古馬の層が薄かったということで、その分3歳馬の活躍が目立ったように感じます。また2023年はディープインパクト産駒の最終世代が3歳を迎えるということで、種牡馬の世代交代も必至。
4歳世代の活躍がどうなるのか、混とんとしている印象の3歳クラシックがどの馬を中心に回っていくのか。またまた楽しみは尽きません。

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