牝馬の国枝厩舎からまたG1馬が誕生 ~阪神JF

国枝栄師といえば、牝馬が強いという印象がありますが、実際にそのとおりで、JRAのG1勝利数でみると牡馬5勝に対して牝馬15勝というのが、今日の阪神JFまでの成績でした。
そして今日、その牝馬のG1勝利がさらに1勝追加されて、16勝となったのです。

国枝厩舎の強い牝馬の代表といえば、何といっても昨年引退したアーモンドアイでしょう。芝G1を史上最多の9勝(JRA G1は8勝)し、厩舎のG1勝利数の実に半分近くを稼いだのです。
しかし1990年に厩舎を開業してから最初にG1を勝ったのは牡馬のブラックホークでした。それは1999年のスプリンターズS。最近でこそ毎年のようにG1を勝つ国枝厩舎ですが、さすがに初めて勝つまでは10年近くの年月が必要だったのです。
そして初めての牝馬のG1勝利が、さらに7年半ほどあとのピンクカメオによるNHKマイルCでした。関東では500万、OPと勝っていたものの、阪神JF、桜花賞と関西のG1では8着、14着と大敗。当日は17番人気の超人気薄でしたが、当時地方所属だった内田騎手を鞍上に、後方から大外一気に差し切り、あぜんとさせられたことを覚えています。

その後の国枝厩舎を代表する牝馬と言えば、やはりアパパネでしょう。
2009年に阪神JFを中団から差し切って勝つと、翌2010年には桜花賞、オークス、秋華賞と牝馬3冠を制覇。メジロラモーヌ、スティルインラブに続く史上3頭目の偉業を達成します。特に印象的だったのは、サンテミリオンと同着で優勝を分け合ったオークス。もし数センチでも足りなければ3冠はなっていなかったわけで、その勝負根性には感心させられました。
逆にアパパネはトライアルのチューリップ賞、ローズSは負けており、常に強い馬というわけではなかったのですが、それゆえに本番での強さが印象に残っています。
さらに4歳時のヴィクトリアMでは1歳上のブエナビスタをクビ差抑えて1着。G1 5勝をあげます。その後は勝てなかったものの、その個性的な名前もあって強く記憶に残る馬でした。

そして今年の秋華賞で、そのアパパネの娘であるアカイトリノムスメが優勝。母娘制覇を成し遂げました。ここまでが国枝厩舎の牝馬によるJRA G1制覇15勝の内訳だったのです。

2歳G1を予想するにあたって、材料が少ないので、どうしても近走の走りが重要になります。その中で、国枝厩舎のサークルオブライフの前走アルテミスSで見せた最後の脚は、かなり印象深いものでした。後方から外をぐんぐんと伸びて、先に抜け出していたベルクレスタをぎりぎり差し切ります。
ただし東京の長い直線だから間に合ったものの、阪神では差し切れるだろうかというのが、最初に抱いた疑問でした。もちろん乗り方次第だし、ベテランのM.デムーロ騎手であれば、そのあたりは問題ないだろうとは思います。しかし一抹の不安もあったので、個人的には対抗という位置づけでした。

レースでは後方の外につけると、4コーナーも外を回って、直線は中団後方から前を追います。残り200mを過ぎて前をとらえると、そこから一気に抜け出して、最後は抑える余裕で1/2馬身差の1着。昨年ハナ差2着に敗れた同厩舎のサトノレイナスの無念を晴らすとともに、2009年のアパパネ以来12年ぶりの阪神JF優勝を厩舎にもたらしました。

パドックではテンションの高さが少し気にはなったのですが、多くの有力馬が馬体重を大きく減らす中、輸送しながらも前走と同じ478kgとメンバー最高体重を維持。精神的な強さを感じさせました。その牡馬のような力強い馬体は印象的で、来年のクラシックでも大きく期待できそうです。

今年の国枝厩舎の2歳馬には、牡馬にもサウジアラビアRCを勝ったコマンドラインという有力馬がいます。再来週のホープフルSに登録しており、来年のクラシックのアベック優勝もあるかもしれません。
国枝厩舎の牡馬のG1は、ダノンプラチナの朝日杯FSを除くとすべて古馬による優勝。3歳はクラシックを含めて1つも勝っていません。昨年サトノレイナスでダービーを狙ったように、国枝師としては牡馬クラシックのタイトルは、ぜひとも欲しいでしょう。
来年に夢を持てるような結果を、期待したいと思います。

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