ドゥラメンテが亡くなりました

2015年の皐月賞、ダービーの2冠馬ドゥラメンテが、8/31に急死しました。死因は急性大腸炎とのこと。享年9歳という若さで、初年度産駒が今年3歳とこれからが期待されていただけに、とても残念です。ご冥福をお祈りします。

ドゥラメンテは、父が2004年のダービー馬キングカメハメハ、母はエアグルーヴ産駒で2003年、2004年とエリザベス女王杯を連覇したアドマイヤグルーヴという良血。美浦の堀厩舎所属でデビューします。
2014年10月の新馬戦は2着に敗れたものの、翌月の東京芝1800m未勝利は6馬身差の圧勝。年が明けて2015年のセントポーリア賞も5馬身差で勝って、共同通信杯に出走してきました。2戦連続で圧勝してきたこともあり、1.8倍の圧倒的な1番人気。どれぐらい強いのか、楽しみに見に行ったことを覚えています。

堀厩舎は外国人騎手を乗せることが多く、ドゥラメンテも初戦はベリー騎手、2戦目はムーア騎手が騎乗します。日本人騎手が乗る場合は、石橋騎手が多いのですが、ドゥラメンテもセントポーリア賞、共同通信杯と石橋騎手が騎乗しました。
しかし共同通信杯でスタートから行きたがったドゥラメンテを、石橋騎手は懸命に抑えて中団後方まで下げます。4コーナーは外を回して、ややよれながらも直線は外からじりじりと脚を伸ばし、残り200mでいったんは先頭に立つものの、最後は内から鋭く差してきたリアルスティールに交わされて1/2馬身差2着に敗れてしまいます。

結果論ですが、個人的には向こう正面で抑えすぎたのが、最後に伸びを欠く結果になったのではと思いました。堀師がどう判断したのかはわかりませんが、次走皐月賞からM.デムーロ騎手に乗り替わり、その後は最後までM.デムーロ騎手が主戦騎手を務めます。
その皐月賞は、無敗の3連勝で東スポ杯を勝っている同厩舎のサトノクラウン、共同通信杯の勝ち馬リアルスティールに次ぐ3番人気。1800mの前走で掛かって負けていることや、東京しか経験がなく右回りが初めて、乗り替わりということで、妥当な評価だと思いました。

その皐月賞で、ドゥラメンテは驚異の走りを見せます。前走と打って変わって折り合って後方から進めたドゥラメンテは、3コーナーから追い出し馬群の内を突きます。しかし4コーナーで曲がらずに、わずかなスキをついて一気に大外へ。M.デムーロ騎手は懸命に抑えようとしましたが、まさに一瞬の出来事。ネット上ではワープしたと言われましたが、まさにそんな感じでした。
外に出たドゥラメンテはまだ先頭まで7,8馬身あったものの、懸命に追うとじりじりと脚を伸ばし、坂を上ってからは一気に加速。前走で敗れたリアルスティールに1 1/2馬身差の圧勝でした。

4コーナーで、ちょうど直線的に馬群に隙間があったという幸運もあったのですが、その無理な進路変更は当然進路妨害となり、鞍上のM.デムーロ騎手は4日間の騎乗停止となります。
以前のルールではおそらく降着になっていたでしょうが、進路妨害がなかったとしても、被害馬がドゥラメンテに先着したとは思えなかったため、見事にドゥラメンテは皐月賞馬となります。

続くダービーは、皐月賞で最後に末脚を伸ばした勝ちっぷりと、東京は4戦2勝2着2回で2勝は圧勝という戦績も評価されて一転して1.9倍の1番人気。当然気性面での危うさは危惧されましたが、広い東京ならあの末脚が生きるだろうと思いました。
レースでは中団前の外を折り合って進むと、4コーナーで外にはじかれるものの脚を伸ばし、残り300mぐらいで早くも先頭に立ちます。最後はサトノラーゼン、サトノクラウンの2頭の追撃を受けながらも、余裕の脚色で先頭ゴール。見事に2冠を達成しました。

ところが秋を目指して休養中に軽度の骨折が判明。しかしその休養期間は意外と長引き、次に出走したのは翌2016年の中山記念。そこを快勝しドバイに遠征します。ドバイシーマクラシックでは落鉄もあって2着。

そして帰国初戦に選んだのは宝塚記念でした。ここでは、前走天皇賞(春)を逃げ切ってG1 2勝目をあげた同期のキタサンブラックや、前年の宝塚記念、天皇賞(秋)を勝っているラブリーデイなどを抑えて1.9倍の1番人気に支持されます。
レースでは、やや重馬場を後方から進め、3コーナー過ぎから徐々にポジションを上げ、直線に入ると外に出して末脚を伸ばします。逃げたキタサンブラックや好位から進めたラブリーデイを目指して一気に差を詰めてくるも、一足先にその2頭を交わして先頭に立ったマリアライトにクビ差届かず2着。強い競馬を見せたものの、残念ながらG1 3勝目はなりませんでした。

しかしレース後にM.デムーロ騎手が下馬。当初は左前脚跛行ということで、大事に至らず安心したものの、意外と重傷だったようで、その後競走能力喪失と診断され、引退することが発表されました。
競走成績は9戦5勝2着4回と1度も連対を外さない優秀なもの。成績に安定しているのはもちろん素晴らしいのですが、どんな展開でも必ず末脚を発揮して優勝争いに絡んでくる勝負根性が魅力でした。ただし気性的な激しさはその根性とトレードオフの側面もあり、皐月賞で見せた行儀の悪さは、予想に際して唯一心配の種だったことを思い出します。

血統的にも超良血で、期待されての種牡馬入りとなりました。初年度産駒がデビューした昨年は、東スポ杯2歳Sでタイトルホルダーが2着、ジュンブルースカイが3着に入ったものの重賞勝ちはなしと、やや期待はずれな結果に。
しかし3歳になった今年、弥生賞をタイトルホルダーが逃げ切って1着となり、産駒の重賞初勝利を記録。さらにタイトルホルダーは皐月賞で2着に入り、G1での初連対も果たします。またキングストンボーイが青葉賞で1番人気2着と好走。
クラシックディスタンスでの好走が目立ち、今後に期待が寄せられる中での訃報でした。

わずか4世代の産駒を残しての旅立ちとなってしまいましたが、キングカメハメハの後継として、ルーラシップやロードカナロアなどの先輩種牡馬をしのぐ産駒の活躍を期待しています。特にあの激しい気性を前向きに勝負に生かせるような産駒が出れば、かなりの活躍が期待できるでしょう。
最後に、ダービー出走時の写真を載せて、故馬をしのびたいと思います。

【ドゥラメンテ】ダービーのパドックにて 2015年5月31日 東京競馬場
【ドゥラメンテ】ダービーの返し馬 2015年5月31日 東京競馬場
【ドゥラメンテ】ダービーのゴール後 2015年5月31日 東京競馬場

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