20年ぶりの外国産馬優勝と、今年も続いた法則 ~NHKマイルC

今年のNHKマイルCは、ドイツ生まれのシュネルマイスターが、外国産馬としてはクロフネ以来20年ぶりの勝利を収めました。

600m33.7という速い流れの中、シュネルマイスターは先団を見る中団外につけます。そして直線は外に出し、2馬身ほど前で手ごたえの良いソングラインを追います。
しかし坂ではじりじりとしか伸びず、残り200mでグレナディアガーズを交わして先頭に立ったソングラインが、いったんは完全に抜け出します。そのままソングラインが勝ったかと思われたのですが、シュネルマイスターがゴール直前で差を詰めると、最後は並んでゴール。写真判定の結果、クビの上げ下げで、シュネルマイスターが鼻差前に出ていました。

シュネルマイスターは、中山芝1600m1勝Cひいらぎ賞を好位から3馬身差で圧勝すると、弥生賞は2番手から逃げるタイトルホルダーを追うものの、1 1/4馬身差2着。皐月賞の優先出走権をとったものの、距離適性を考えてNHKマイルCに出走してきました。
父は愛英仏でマイルG1を4勝したキングマン。母はドイツオークス(芝2200m)を勝っているものの、近親にはサラキア、サリオス姉弟もいて、血統的にマイルが合うという判断だったのでしょう。朝日杯FSを勝ちながらクラシックには見向きもしなかった3着グレナディアガーズといい、近年はより距離適性の見極めが厳しくなってきたような印象があります。

個人的には、重賞を勝っていないということと、弥生賞の前を交わせないレースぶりに物足りなさを感じて、3番手評価としたのですが、逆に直線の長い東京が、エンジンのかかりが遅くじりじりとしか伸びないという弱点を、補ったように思えます。
今後はその弱点をどう補っていくかということになるでしょうが、2000mに対応できるスタミナはあるので、少し距離を伸ばしていく手もあるかもしれません。

そして個人的に驚いたのは、2着に入ったソングラインでした。
3馬身差で勝った紅梅Sの最後の伸び脚は素晴らしかったのですが、桜花賞は不利を受けて戦意を失ったとはいえ15着大敗。パドックでの姿も、トモの送りが浅くトモに力があるようには感じられず、割と自信をもって切ってしまいました。近年牝馬の成績がいいことは知っていましたが、手が出ませんでした。
しかし直線で抜け出す脚は、紅梅S同様に見事で、牡馬相手でも決して見劣りしません。牝馬らしい切れもあり、マイルまでなら活躍が期待できるでしょう。

昨年のNHKマイルCの際も書いたのですが、5年続いていた法則が、今年も当てはまってしまい、6年連続となりました。それは前走1着の馬が馬券圏内の3着以内に入らないこと。
今年も3番人気バスラットレオン、4番人気ホウオウアマゾン、5番人気ルークズネストと、上位人気馬が前走1着から臨んだのですが、バスラットレオンが競争中止、ホウオウアマゾン9着、ルークズネスト10着と、いずれも掲示板にすらのることができませんでした。
前走1着馬でもっとも上位は7着アナザーリリック(10番人気)。

こういう法則のようなものは、気づいたときに終わることが多いのですが、これについては指摘され始めて2年はたつと思うものの、今年も継続してしまいました。
こうなるとかなり強力だと思いますが、果たして来年これに乗ることができるのかという悩みが出てきます。前走1着馬は人気馬が多いので、これらを切ることができればかなり楽になるのですが、実際に前走の強いパフォーマンスを見ると、切れなくなるのが人情でしょう。

そしてもう一つ気づいたのが、キズナ産駒がG1を勝てないこと。
先週の天皇賞(春)2着のディープボンドに続いて、ソングラインが2着になり、これでキズナ産駒は2週連続のG1 2着。キズナ産駒の重賞勝ち馬は、これまでに7頭(10勝)いるのですが、マルターズディオサ(2019年 阪神JF2着)、ファインルージュ(2021年 桜花賞3着)など、いずれもG1では惜敗続き。
いずれ勝つ馬が出てくるのでしょうが、現時点ではG1でキズナ産駒の単勝を買うのは、かなりリスクが高いと言えます。

このあたりも参考にして、これから5週間にわたって続く東京競馬場でのG1を楽しみたいと思います。残念ながら、今年も競馬場での観戦はできなさそうですが・・・。早く自由に競馬場に出入りできる日常が戻ってくることを祈っています。

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