3年連続、そして桜花賞に続く無敗での戴冠 ~皐月賞

今年の皐月賞は2強の争いという構図でした。
1頭は、昨年の最優秀2歳牡馬で、無敗でホープフルSを勝ったダノンザキッド。それ以来どの3歳牡馬ランキングでも1位の評価を受け、皐月賞の大本命と言われていました。それはここ2年、無敗でホープフルSを制したサートゥルナーリア(2019年)、コントレイル(2020年)が、無敗の皐月賞馬となったことも、大きく影響しているでしょう。
しかしその2頭とは違って、ダノンザキッドは皐月賞の前にトライアルの弥生賞を使うという選択をしました。それはおそらく休み明けよりも、1度使った方がいいという陣営の判断だったと思います。
しかし超スローとなった弥生賞で、タイトルホルダーの逃げ切りを許してしまい、ダノンザキッドは3着に敗れます。最後は1 1/2馬身差まで詰めており、トライアルとして割り切れば決して悪くない結果ですが、一抹の不安が残ったのも事実です。

そしてもう1頭は、無敗で共同通信杯を勝ったエフフォーリア。その共同通信杯では4番人気と伏兵扱いでしたが、先行して抜け出し2 1/2馬身差の完勝。そこで2着に破ったヴィクティファルスがスプリングSを勝ち、さらに3着だったシャフリヤールが毎日杯を勝ったことで、評価が上がることになりました。
共同通信杯から直行した馬が、過去10年で4勝していることも、後押しする材料になったでしょう。

この2頭の単勝オッズは前日発売から拮抗しており、一時はエフフォーリアが逆転する場面もありましたが、最終的にはダノンザキッドが3.3倍の1番人気となり、エフフォーリアは3.7倍の2番人気。3番人気がアドマイヤハダルの8.8倍で、あとは10倍以上という形になりました。

個人的には、調教は、併せた前の馬を抜かせず地味に見えたエフフォーリアよりも、単走でしっかり脚を伸ばしたダノンザキッドの方がよく見えました。しかし距離にやや不安のあるジャスタウェイ産駒のダノンザキッドよりも、エピファネイア×ハーツクライというエフフォーリアの方が将来性も含めて期待できるのではと考え、迷った末にエフフォーリアを上にとることにしました。
それはパドックでの、のびやかな歩様で適度な気合乗りながら落ち着いて周回するエフフォーリアの姿を見て、間違っていなかったという確信に変わりました。対するダノンザキッドも悪くはないのですが、ややテンション高めで腹回りにはかなり汗をかいており、少し不安を感じさせる姿だったのです。

レースでは、好スタートを切った2頭は、枠順通り内にエフフォーリア、外にダノンザキッドで、同じような先行する位置を取ります。途中で外から掛かり気味の馬が上がっていくシーンもありましたが、1000mは1.00.3とここ数年ではかなり遅めのペース。しかし2頭とも折り合っているように見えます。
そして3コーナーからペースが上がると、ダノンザキッドの川田騎手のアクションが明らかに大きくなります。ちょっと行きっぷりが悪いのかと心配していると、ダノンザキッドは馬場の良い外目に進路を取ります。先行するタイトルホルダーやレッドベルオーブも外目に出したため、内を突く選択をした横山武騎手のエフフォーリアの進路は、4コーナーでぽっかりとあくことになりました。
そのまま直線に入ると、追い出したエフフォーリアはタイトルホルダーを内から交わして先頭。対するダノンザキッドは明らかに手ごたえが悪く、4コーナーで一気に後退して中団後方と絶望的な位置。
そのままエフフォーリアはぐんぐんと脚を延ばし、残り200mですでに2馬身半ほど差をつけてセイフティリード。最後までエフフォーリアは脚色衰えず、2着タイトルホルダーに3馬身という圧倒的な差をつけて、無敗で1冠目のタイトルを獲得しました。対するダノンザキッドは直線は後退する一方で、最終的には15着と大敗してしまいました。

これでエフフォーリアは3年連続となる無敗の皐月賞馬となりました。桜花賞も無敗でソダシが勝っているので、牡牝ともに1冠目は無敗での戴冠となり、これは昨年に続く2年連続の快挙。まさかの2年連続無敗の牡牝3冠馬の誕生も夢ではないかもしれません。
特にエフフォーリアの3馬身差は、過去10年では2011年のオルフェーヴルと並ぶ大きな着差です。しかも2011年は東京競馬場での開催だったので、直線の短い中山での3馬身差は、それよりも価値が高いと言えるでしょう。

また鞍上の横山武騎手は5年目でのクラシック&G1初勝利。2年前にリオンリオンで父の横山典騎手から乗り替わってダービーに騎乗した際には、かなり緊張した感じだった記憶があるのですが、今日は人気馬に乗っているにもかかわらずレース前もリラックスしている様子で、騎乗も落ち着いており、余裕すら感じさせました。これは昨年関東リーディングを取ったという自信も影響しているのでしょう。
またレース後は喜びを爆発させており、今どきの若者らしさを感じました。

今日の結果を見る限り、ダービーではエフフォーリアが1番人気になることは間違いないでしょう。血統的に距離不安はなく、また共同通信杯を圧勝していることから、コースについても問題ありません。
皐月賞組とはほぼ勝負付けが済んだイメージで、毎日杯から直行する予定のシャフリヤールも共同通信杯で破っています。青葉賞や京都新聞杯で新星が現れたとしても、無敗の2冠はかなり確率が高そうです。さらにその先の3冠も見えてくるような勝ち方だったと言えると思います。
ちょっと気が早いですが、2年連続無敗の3冠馬誕生となると、まさに空前絶後。コロナの影響でなかなか競馬場に行けないのが、とても残念に思えてきます。何もこのタイミングで、こんなすばらしい馬たちが出て来なくてもと・・・。

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