白毛初のG1制覇 ~阪神JF

今年の阪神JFの最大のトピックスは、白毛馬初のG1制覇なるかということだったでしょう。
その白毛のソダシは、デビュー戦を楽勝した後、2番人気の札幌2歳Sを先行抜け出しでクビ差制して重賞初制覇。3戦目のアルテミスSも先行して早めに抜け出すと、迫る後続を1 3/4馬身抑えて無敗で重賞2連勝。
時計のかかる札幌も、比較的時計の早い東京もこなしたこともあり、3.2倍の1番人気に支持されました。

個人的には、シラユキヒメから始まる白毛一族がダートに強いイメージがあり、重賞2勝も早めに抜け出して押し切り、上りの速い展開は疑問ということもあり、末脚鋭い馬に差される可能性が高いのではと、少し狙いを下げてしまいました。

レースでは好位の馬群の中を進むと、徐々にポジションを上げるものの4コーナーでは5番手。直線も包まれて抜け出す余地がなく、また切れる脚もないのでまずいかと思ったのですが、残り300mで前が開くとじわじわと脚を伸ばします。
残り100mで前を行くヨカヨカを捉えると、内から迫るサトノレイナス、外から伸びるメイケイエール、ユーバーレーベンとの追い比べに。
最後は内のサトノレイナスと並んでゴールも、ハナ差抑えて待望のG1勝利を無敗で飾りました。

白毛という毛色は、白毛の遺伝子を持っている親から生まれるのですが、この遺伝子は優性なので、白毛の遺伝子を持つ馬は白毛になります。しかしまれに突然変異で白毛が発生することがあり、この場合も、白毛の遺伝子は仔に優性遺伝するのです。
日本で最初の白毛の競走馬は、1979年に生まれたハクタイユー(牡)で、この馬は両親ともに白毛ではなく突然変異で発生しています。しかしハクタイユー自身は未勝利に終わり、種牡馬になったものの特に活躍馬は出していません。

そして1996年に生まれたのがシラユキヒメ(牝)。父サンデーサイレンス、母ウェイブウインドともに白毛ではなく、突然変異で白毛として生まれました。
シラユキヒメ自身はデビューが4歳の2月と遅れたため500万下のレースに出たものの、9戦して3着1回と未勝利で引退しています。

シラユキヒメは当時話題になったことは覚えていますが、結局勝つことはなく、サンデーサイレンスの娘と良血にもかかわらず、やはり白毛は走らないのかなという印象を抱きました。
そのシラユキヒメが繁殖に上がって、次々と白毛の産駒を送り出してきました。2016年生まれのブッチーニまで12頭の産駒がいますが、そのうち10頭が白毛。シラユキヒメ自身が金子真人さんの持ち馬だったこともあり、産駒も金子さんの勝負服で出てくるので、白毛ということもあり、どうしても注目が集まります。
初仔のシロクン(牡 2003年生まれ)は未勝利でしたが、2番仔のホワイトベッセル(牡 2004年生まれ)がついに未勝利戦を勝って、シラユキヒメ一族で初勝利を記録。
さらに3番仔のユキチャン(牝 2005年生まれ)は未勝利、500万下を勝った後、大井の関東オークスを武豊騎手を背に逃げ切って、初の重賞勝利。これはかなり大きな話題となりました。その前にフローラSに出走したのですが、東京競馬場まで見に行ったことを覚えています
結局ユキチャンは交流重賞3勝をあげて、シラユキヒメ産駒の出世頭となりました。

そしてシラユキヒメの9番仔がブチコ(牝 2012年生まれ)。白毛ですが、黒いブチが全身にあって、それが名前になりました。このブチコもダートで4勝をあげて準OPまで出世。そのブチコの初仔がソダシなのです。

今回3番人気に支持されたメイケイエールも、実はシラユキヒメの一族。ユキチャンの2番仔シロインジャーの初仔となります。メイケイエール自身は白毛ではありませんが、血統的にはソダシから見るといとこの仔にあたるのです。

そしてソダシの主戦である吉田隼騎手は、ユキチャンに新馬から4戦目のフローラSまで乗っており、白毛馬の特徴を知っていたことが、ソダシの騎乗に役に立ったのかもしれません。

レースでは結果的に人気馬が上位に来て、勝ったソダシ(1番人気)とハナ差2着のサトノレイナス(2番人気)はもちろん、1番の上りで追い込んできた3着ユーバーレーベン(6番人気)、距離不安が言われながら僅差4着のメイケイエール(3番人気)といずれもクラシックでは有力と思われます。
特に上位3頭は距離伸びても問題なさそうで、オークスまでライバル関係が続くことになるでしょう。
順調に来年の春、顔をそろえてくれることを期待するとともに、ソダシの連勝がどこまで続くか、楽しみに見ていきたいと思います。

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