クラシックにつながるか? ~共同通信杯

最近はクラシックを占う重要な戦いとなってきた共同通信杯。過去10年の上位馬からは7頭のクラシック連対馬を出しており、まさに目が離せないレースとなっています。

今年の主役は、何といっても3戦3勝のマイラプソディでしょう。新馬に続いてOP野路菊S、G3京都2歳Sといずれも最速の上りで連勝。メディアでのコントレイル、サリオスに次ぐ第3の馬という扱いも当然だと思います。さらに前走で破ったミヤマザクラが昨日のクイーンCを勝ったこともあり、1.5倍の圧倒的な1番人気に支持されました。
しかし期待を込めて見たパドックでは、脚が長くスラっとした馬体はいいものの、小さな完歩でトモの伸びやかさや踏み込みの力強さも今一つ。あまり大物感は感じられず、正直これではクラシックの主役はちょっと厳しいかなという印象を受けました。

レースは4番人気のビターエンダーが押し出されるように先頭に立ちスローの展開。それを5番人気のココロノトウダイなどが追走し、中団に、新馬を勝ったディープインパクト産駒の良血2番人気のフィリオアレグロ、札幌2歳S、葉牡丹賞3着のゴドルフィン期待の3番人気ダーリントンホール。マイラプソディは抑えて後方を追走します。
直線に入り早めに追い出したビターエンダーに、内からダーリントンホールが馬体を合わせて2頭で抜け出すと一気に差を広げていきます。大外からマイラプソディも追い込んできますがフィリオアレグロなどと離れた3着争いまで。
最後まで馬体を並べて激しい追い比べの結果、ハナ差でダーリントンホールが1着となり、ビターエンダーは惜しい2着。4馬身差3着がフィリオアレグロでアタマ差4着がマイラプソディとなりました。

共同通信杯は圧倒的な人気の馬がコロッと負けることが多い印象で、2016年は1.9倍のハートレーと3.1倍のスマートオーディンがともに見せ場なく敗れ、2018年も1.8倍のグレイルが大敗しました。2011年のダノンバラードなど武豊騎手の騎乗馬が多いのはちょっと気になるところです・・・。
これらの馬はいずれもクラシックでは活躍できず、マイラプソディの株も残念ながらかなり落ちるのは仕方ないでしょう。

では上位馬のクラシックでの期待値はどうでしょう。
1着のダーリントンホールですが、期待は高かったもののなかなか活躍できず、葉牡丹賞でもじりじり伸びるものの1 1/4差3着と不満の残る結果でした。今回積極的な競馬で1番の上りで勝ったものの、ハナ差の辛勝。パドックではクビを使って気合乗りは良いものの、トモの力強さは今一つで個人的にはあまり高く評価できませんでした。
叩き合いを制して勝ったことは価値が高く、また能力が高いことは間違いないと思います。ただし切れる脚は使えないので、前に行くことで活路を開いていく形になるのではないでしょうか。

2着のビターエンダーは京成杯4着という結果からあまり評価は高くありませんでしたが、スローでうまく逃げて見せ場十分の結果となりました。パドックでは元気よく歩いてトモも力強く、印象は比較的良かったのですが、テンションの高さが気になりました。父オルフェーヴルの気性を受け継いでいるのかもしれませんが、父は距離に問題なかったので、こなせれば意外とおもしろい存在になるかもしれません。

3着以下は4馬身以上離れてしまったので、現時点では上位2頭のみが生き残りというのが個人的な見方です。ただし3年前のスワーヴリチャードや去年のダノンキングリーほどのインパクトは感じられないのが正直なところ。
でも人気薄で勝った2016年のディーマジェスティはその後に皐月賞を制しており、意外な結果になるかもしれません。

【ダーリントンホール】パドックの印象は今一つも、きっちり勝ちきりました

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