短距離G1向きの血統とは ~スプリンターズS

新聞を読んでいると、スプリンターズSでは父子制覇が1度もないという記事を見つけました。高松宮記念はキングヘイローとローレルゲレイロの1例があるのですが、同じスプリントG1のスプリンターズSの方が歴史が長いにも関わらず、今まで達成されていないのです。

今年は2012,13年と連覇を果たしたロードカナロアの産駒が3頭出走し、中でもダノンスマッシュは高松宮記念に続いて1番人気に支持されましたが、残念ながら3着に敗れ、今年も父子制覇はなりませんでした。

ロードカナロア自身は1200~1600mまで強いパフォーマンスを見せましたが、やはりG1を5勝した芝1200mがベストという印象です。
ところがその代表産駒を見ると、アーモンドアイが牝馬3冠にプラスしてJCを圧勝。またサートゥルナーリアは皐月賞を勝って先日の神戸新聞杯を次元の違う末脚で圧勝と、かなり距離に融通が利くイメージです。

では逆にスプリンターを生み出す種牡馬とはどのような馬たちなのでしょうか。
スプリンターズSの過去10年の勝ち馬とその父は、下記のようになります。
2009年 ローレルゲレイロ(キングヘイロー)
2010年 ウルトラファンタジー(Encosta de Lago)
2011年 カレンチャン(クロフネ)
2012年 ロードカナロア(キングカメハメハ)
2013年 ロードカナロア(キングカメハメハ)
2014年 スノードラゴン(アドマイヤコジーン)
2015年 ストレイトガール(フジキセキ)
2016年 レッドファルクス(スウェプトオーヴァーボード)
2017年 レッドファルクス(スウェプトオーヴァーボード)
2018年 ファインニードル(アドマイヤムーン)

外国産の種牡馬は別にして、内国産の種牡馬を見てみると、キングヘイロー以外はマイル以上のレースで活躍した馬たちばかりで、ちょっと意外な気もします。キングカメハメハはダービーを勝っていますし、アドマイヤムーンもJCと宝塚記念を制しています。クロフネも2100mのJCダートでとても強いパフォーマンスを見せました。

もちろん単純に親の距離適性が子に遺伝するわけではないでしょうが、その傾向みたいなものはある程度受け継がれるのではと思ってしまいます。まあそのあたりが、にわか血統論者の限界なのかもしれませんが。

今年は、見事なパフォーマンスで勝った1着のタワーオブロンドン(父レイヴンズパス)も、逃げて2着に粘ったモズスーパーフレア(父スペイツタウン)も、ともに外国産の種牡馬の仔なので父のレースぶりや距離適性はよくわかりませんが、内国産の父を見る限り、父の距離適性はあまり気にする必要はなく、逆にスプリンターだった父の仔は、割り引いた方がいいのではという気もします。
もちろん血統を検討するためには、母系も見る必要があるのは当然ですが・・・。

とはいえ、異能の種牡馬ともいえるロードカナロアの産駒には、ぜひ父子制覇を達成してほしいと思いますし、残り少ないディープインパクトの産駒には、まだ勝ち馬を出していない数少ないカテゴリーであるスプリントG1を勝ってほしいという思いもあります。
来年以降にも注目です。

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