キングカメハメハが亡くなりました

つい10日ほど前にディープインパクトの訃報を聞いてショックを受けたのですが、また名馬が1頭旅立ってしまいました。ディープインパクトの1歳上で、2004年の日本ダービーを勝ったキングカメハメハです。
今年で種牡馬引退という報道は聞いていましたが、8/9の夕方に体調が悪化し、23時ごろに亡くなったそうです。ここ数年は体調がすぐれなかったようで、白内障で目も見えなかったとのこと。ご冥福をお祈りします。

キングカメハメハといえば、地方から移籍した名手安藤勝騎手にダービージョッキーの称号を贈ったことと、松田国師の念願だったNHKマイルCと日本ダービーの変則2冠を初めて達成したことが印象的でした。しかし秋に神戸新聞杯を制した後に屈腱炎を発症してそのまま引退。8戦7勝と底を見せず、強かったという記憶はありますが、現役生活はディープインパクトほどのインパクトは、正直感じませんでした。

逆に、NHKマイルCから日本ダービーというきついローテーションが、現役生活を縮めたのではと、ちょっと批判的な感想を抱いたことを覚えています。
確かキングカメハメハが年明け初戦の京成杯で3着になったのを見て、松田国師が中山への適性に疑問を抱いて早々に皐月賞挑戦をとりやめ、代わりに毎日杯からNHKマイルC、そして日本ダービーというクロフネでかなえられなかったローテーションをとったと記憶しています。

今でこそクラシックを狙うためには、できるだけレース数を絞って、かつ間隔をあけることがトレンドですが、当時はまだきついローテーションで臨む馬もいました。2001年のクロフネもそうですし、2002年のタニノギムレットは皐月賞3着、NHKマイルC3着からダービーを勝ちました。
必ずしも厳しいローテーションが競走馬生命を縮めるわけではないですが、故障の確率が上がることは確かで、それが今のトレンドにつながっているようにも思えます。

このように早々に種牡馬生活をスタートさせたキングカメハメハですが、現役時代よりも大きなインパクトを与えることになりました。
もともとサンデーサイレンスやブライアンズタイムなどの、今や主流となったいわゆるヘイルトゥリーズン系の血がまったく入っていないという血統背景から、多くの牝馬との交配が可能ということで期待が大きかったと思います。しかしその実績は期待を大きく上回るものでした。
現状ではドゥラメンテ(2015年)、レイデオロ(2017年)と2頭のダービー馬を送り出したほか、現役時代は最強の短距離馬にして3冠牝馬アーモンドアイの父であるロードカナロアを生みだすなど、日本競馬界に与えた影響は、ディープインパクトに劣らないとも言えます。

令和になって早々に、平成の名種牡馬を相次いで失った日本競馬界が、これからどうなっていくのか一縷の不安はあります。しばらくは群雄割拠の戦国時代が続くかもしれませんが、いずれはノーザンテーストから天下を奪ったサンデーサイレンスのような偉大な種牡馬が現れるかもしれません。令和を代表する種牡馬の出現を待ちたいと思います。

最後に、ディープインパクトと同様に、キングカメハメハの在りし日の 写真を載せて、故馬をしのびたいと思います。

キングカメハメハ
社台スタリオンステーションにて 2007年9月16日
キングカメハメハ
社台スタリオンステーションにて 2007年9月16日
キングカメハメハ
社台スタリオンステーションにて 2007年9月16日

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