2強は並び立たないどころか・・・ ~安田記念

今年の安田記念は、2頭の対決が大きな話題となり、例年以上の盛り上がりとなりました。よく朝から並んで指定席に入るのですが、例年だと7時半ぐらいに行っても余裕で入れるのに、今年はすでに7時前に満席となるほどでした。

まずはアーモンドアイ。言わずと知れた昨年の年度代表馬です。昨年は牝馬3冠にプラスしてJCでは驚異の世界レコードの走りを見せ、今年初戦のドバイターフも完勝してG1 5連勝。一時は凱旋門賞挑戦の話もありましたが、結局見送って国内専念となり、上半期最後の1戦に安田記念を選んだのです。
そしてもう1頭は、2年前の最優秀2歳牡馬ダノンプレミアム。サウジアラビアRCから朝日杯FSを完勝。弥生賞も楽勝したものの挫石による調整不足で皐月賞を回避し、ぶっつけのダービーは3/4差6着に惜敗。しかし長期休養後に金鯱賞、マイラーズCとG2を連勝して復活を印象付け、安田記念に出てきました。

この2頭は同世代ですが、今回が初対決。そのため、どちらが勝つのかいろいろな議論がさまざまな場所で交わされました。
アーモンドアイは現役最強と言われながらも、海外遠征からの初戦であることや、桜花賞以来の久々のマイル戦などが不安材料としてあげられましたが、中でも今の東京の馬場の時計の速さは、個人的にも気になりました。4週連続で行われたG1のうち、NHKマイルCを除く3戦でレースレコードが出ていたのです。前が止まらない馬場で、差し届かないことも考えられました。
一方ダノンプレミアムは3戦3勝と得意なマイルで、前走のマイラーズCでは32.2の上りで差し切っており、ことマイルではアーモンドアイよりも上ではないかという評価もありました。しかし個人的には、踏んだ修羅場の数ではアーモンドアイに軍配が上がると思っていました。一流の牡馬を相手に圧勝したJCや、世界の強豪に勝ったドバイの経験は、G2をいくつ勝ってもかなわないと思うのです。

またパドックにおいても、堂々と落ち着いて歩くアーモンドアイに対して、周回を重ねるごとにテンションが上がってずっと小脚を使い、発汗も目立つダノンプレミアム。2強が並び立たない前提では、どちらかを中心にする必要があるのですが、実は予想する中ではかなり迷いがありました。しかし最終的にパドックの姿を見て、アーモンドアイを中心にすることにしました。とはいえ、2頭のどちらも連対しないという状況は考えられなかったのですが。

ところが実際のレースは、想定とはかなり違ったものになりました。まずスタートで大外のロジクライが内に大きくよれたことで、ダノンプレミアム、アーモンドアイ、ペルシアンナイト、ロードクエストの4頭が大きく不利を受け、かなりポジションを下げてしまいます。
中でもダノンプレミアムはデビュー以来すべて先行しており、後方からレースを進めるのは初めて。それでも直線は外に持ち出して前を追うも、手ごたえが悪くずるずると後退。途中から川田騎手も追うのをやめて最後は最下位で入線。1コーナーすぎで下馬しました。おそらく異常を感じたのでしょうが、検査の結果は異状なしとのことで、まずはホッとしました。
そしてアーモンドアイも想定よりは後ろのポジションからレースを進めます。直線に入っても前がふさがる場面があり、残り400mを切ってようやく前が空き、メンバー最速の究極ともいえる32.4で前を追いますが、好位から進めたシルクの僚馬のインディチャンプと、逃げたアエロリットにクビ+ハナ差及ばず3着。競馬にたらればは禁物とはいえ、もう少し前のポジションで進めていたら、ほぼ間違いなく差し切っていたでしょうから、なんとも悔やまれる不利でした。

負けて強しとはいえ、負けは負け。アーモンドアイはデビュー戦以来の久々の敗戦を喫するとともに、初めて連対を外すという屈辱を味わうことになりました。G1も5連勝で途絶え、また秋から新たな挑戦が始まります。
次はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。たらればを考える余地もないような走りを期待したいと思います。

【インディチャンプ】人気は2頭に離されましたがパドックの気配はよかったです。
【インディチャンプ】福永騎手もとてもうれしそうでした。
【アーモンドアイ】パドックでも素晴らしい出来は感じられましたが不利が大きかった。

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