G1を勝つ馬は過去に強いパフォーマンスを見せている ~NHKマイルC

G1を勝つ馬は、それ以前に強いパフォーマンスを見せているというのが、個人的な仮説です。特にキャリアの浅い3歳馬のレースの場合、前哨戦をよく見ておくことが大切だと、よく思い知らされます。もちろんそれに引っ張られて、失敗することもよくあるのですが・・・。

今年の牝馬クラシックにおいては、まずソウルスターリングのレースぶりが印象的でした。昨年の阪神JFに続いて、チューリップ賞でも速い上りで2馬身差の圧勝。そのため桜花賞では1.4倍の断然の1番人気に支持されました。その桜花賞で5.1倍の2番人気になったのがアドマイヤミヤビですが、その評価の根拠となったのが、チューリップ賞と同じ1.33.2で勝ったクイーンCでした。
このクイーンCでのアドマイヤミヤビのレースぶりはすばらしいと思ったのですが、実はそこで気になったのが、2着に食い下がった馬でした。

クイーンCでアドマイヤミヤビは後方からレースを進め、3コーナー過ぎから外を通って徐々に進出し、直線に入って追い出すと一気に加速し馬群を引き離していくのですが、その時に内で先行していた馬がアドマイヤミヤビに体を寄せてくると、伸びるアドマイヤミヤビにあわせて懸命に追いすがります。後続はどんどん離れていくのですが(最内で脱落していくのは後の桜花賞馬レーヌミノル)、この2頭は1/2馬身差のまま馬体を合わせてゴールします。
その2着馬が、アエロリットでした。このパフォーマンスが印象に残って、桜花賞でも注目していたのですが、馬場が重かったこともあり5着に敗れました。しかし関西まで輸送をして、初めての競馬場のG1で堂々の5着。しかもアドマイヤミヤビに雪辱したのは、とても立派だと思いました。

そして今日のNHKマイルC。アエロリットにとって、コースはクイーンCと同じ実績のある東京の芝1600m。遠距離輸送もなく、桜花賞からはすべての条件が好転します。持ちタイムは抜けて速く、牡馬勢にもこれといった強力馬の姿はありません。今年の3歳は牝馬の方がタレントが揃っているという前評判もあり、アエロリットを中心視するのは当然のことに思えました。

レースではアエロリットは好スタートから外目をやや掛かりぎみに先行し、3コーナーから4コーナーにかけては先頭に近づき、4コーナーは1頭だけ大きく外を回って先頭に並びかけます。
さすがに先頭に立つのは早すぎて、ここまでかとも思ったのですが、しばらく内のボンセルヴィーソと離れて先頭をキープしたあと、残り200mからボンセルヴィーソを一気に突き放します。馬群から唯一リエノテソーロが迫るものの、1 1/2馬身差をキープして先頭でゴール。1.32.2の好タイムで、結果としてとても強い勝ち方でG1を制覇しました。
やはり強いパフォーマンスを見せた馬は、追い続けることが大切だと痛感したのです。

そして2着に入ったリエノテソーロ。2走前にダートとはいえ1600mのG1で3馬身差の圧勝。休み明けの前走アネモネSで4着に負けていたこともあり、馬券の対象からは外してしまったのですが、やはり強いパフォーマンスを見せていたのです。
先入観なく考えることが大切だと、改めて思い知らされました。

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