オーナーの運もあるような・・・ ~日本ダービー

今年の牡馬クラシックはレベルが高いと言われ、皐月賞まではサトノダイヤモンド、リオンディーズ、マカヒキの3強、その後ダービーに向けては皐月賞馬ディーマジェスティを加えた4強という状況でした。ダービーに向けて皐月賞の分析が重要でしたが、かなりのハイペースだったこともあり、その解釈はさまざまな可能性が考えられ、とても難しいというのが個人的な感想でした。逆に言えば、どの馬がダービー馬に輝くのか、とても楽しみな1戦でもあったのです。

予想をするうえで大きな要素になるのが、展開だったと思います。皐月賞で途中から逃げてハイペースを演出し5着に敗れたリオンディーズ。中団から差したものの休み明けもあって3着にとどまったサトノダイヤモンド。
それに対してハイペースを利して後方から差して優勝したディーマジェスティと、同じく1番の上りで追い込んで2着のマカヒキ。
東京の馬場は前日の土曜日からCコースとなり、前が止まらず外が伸びない馬場になったことで、特に末脚勝負のディーマジェスティとマカヒキの戦法が注目されました。

スタートすると、内のマカヒキは中団につけ、最内のディーマジェスティはいったん下げるものの、すぐに外からマカヒキをマークするように後ろにつけます。その2頭の前にサトノダイヤモンドがいて、リオンディーズは予想に反して抑えて後ろから3,4番手。そのままサトノダイヤモンド、マカヒキ、ディーマジェスティは固まって中団を進みます。
直線に入ると馬場中央をサトノダイヤモンドがじりじりと伸び、その内のマカヒキは前のエアスピネルの後ろに押し込まれて、進路がふさがった状況。出られるのかと思うと、サトノダイヤモンドがやや外によれて前が空き、そのすきをついてマカヒキが一気に進出します。
しかし立て直したサトノダイヤモンドが再度外から馬体を合わせ、そこからは2頭が並んで壮絶な叩き合い。最後は鼻づらをあわせて並んでゴール。1/2馬身差でディーマジェスティが3着。

写真判定になりましたが、結局ハナ差でマカヒキがサトノダイヤモンドを下して戴冠となりました。
この2頭、マカヒキは金子真人オーナー(名義は金子真人HD)、サトノダイヤモンドは里見治オーナーの持ち馬。ともにG1では常連の大オーナーですが、その成績はかなりの差があります。

金子オーナーは牡牝の3冠馬ディープインパクト、アパパネをはじめ、砂のディープインパクトと言われたカネヒキリなど多数のG1馬を所有。ダービーもキングカメハメハ、ディープインパクト、マカヒキと3勝目。JRAのG1はこれで26勝目。個人馬主としては、まさに驚異的な成績です。ちなみにまだ勝っていないJRAのG1は、高松宮記念、マイルCS、朝日杯FSの3戦のみ。

片や里見オーナーはサトノの冠名でおなじみですが、意外なことにJRAのG1は未勝利。しかも2着は2013年菊花賞(サトノノブレス)、2015年日本ダービー(サトノラーゼン)、2016年日本ダービー(サトノダイヤモンド)の3回。3着も2回あります。

昔からダービーは運がよい馬が勝つと言われますが、今年のダービーはオーナーの運が優ったように思えます。しかもサトノダイヤモンドは落鉄もしていたとか。競馬にタラレバは禁物ですが、無事ならとつい思ってしまうでしょう。
ただしよく見ると、サトノダイヤモンドは1回よれてマカヒキに前に出られながらも再度差を詰め、ゴール前のクビの上げ下げでは一瞬前に出る場面もありました。その勝負根性が、いつかG1の舞台で発揮されて、オーナー悲願のG1制覇をかなえることを祈りたいと思います。

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