驚くべき強さでした ~マイルCS

モーリスが出走メンバーで一番力があるのはわかっていましたが、やはり半年ぶりが大きな不安でした。これで勝ったら怪物だと思っていたのですが、まさに怪物並みのパフォーマンスを見せてくれたのではないでしょうか。

モーリスに驚かされたのは、今春のダービー卿CTでした。後方から一気に抜け出すと、あとは差が開く一方でメンバー一番の上り33.0で3 1/2馬身差の圧勝。新馬戦ならともかく、実力馬が集まった重賞であれだけの力差を見せる勝ち方は、ほとんど見たことがありません。かなりショッキングな情景だったのですが、逆に鮮やかすぎて、ハンデ戦で斤量差があったこともあり、さすがにG1で同じことは難しいだろうと安田記念では狙いを下げてしまいました。
しかしそんな浅はかな考えをあざ笑うような鮮やかな優勝。着差こそクビ差でしたが、やや掛かりながらも後方から追い込んできたヴァンセンヌに交わさせず、着差以上の強さを感じさせました。

これでマイルの頂点を極めたと思ったのですが、秋はやや順調さを欠き、初戦に予定していた毎日王冠を回避。体調が整わないような厩舎コメントもあり、不安をかきたてられました。そして32回のマイルCSの歴史の中で、一度も優勝馬が出ていない安田記念以来の半年ぶりというローテーション。
最終的に5.7倍の4番人気という評価になったのですが、それも致し方ないでしょう。

レースではモーリスは好スタートを切るも中団の外に下げ、折り合って進みます。4コーナー手前から追い出されると、直線は外から差を詰めて一気に先頭に立つと、後続を寄せ付けず、メンバー2位タイの上り33.1で1 1/4馬身差の圧勝。春秋のマイルG1を制して、マイル王に輝きました。

実は堀厩舎のG1での長期休み明けというと、天皇賞(秋)にダービー以来で出走したサトノクラウンが思い出されるのですが、この時は好位を進みながら直線は失速して17着大敗。春の面影はまったく感じられない負け方でした。
これがややトラウマになってもいたのですが、モーリスは見事に立て直しました。これは調教師および厩舎の名声をさらに高めるでしょう。11/15終了時点で44勝と東西を通した調教師成績1位で、G1もドゥラメンテとモーリスで4勝。これは池江厩舎の43勝と4勝とほぼ同じです。
G1ではラブリーデイとミッキークイーンを抱える池江厩舎がかなり有利ではありますが、西高東低の中央競馬において、関東を盛り上げるためにも堀厩舎にはがんばってもらいたいものです。
モーリスの次走は香港らしいですが、世界にもその力をぜひ見せて欲しいと思います。

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