牝馬の調子と馬体重の関係とは ~オークス

今年のオークスは、桜花賞を除外になって出走した忘れな草賞を勝っことで、オークスに出ることができたミッキークイーンが、1番人気のルージュバックに競り勝ち優勝しました。

ミッキークイーンはクイーンCで最後方から1番の上り33.8でクビ差2着になり、忘れな草賞でも後方から差して3/4差1着になるなど、距離も問題なく末脚も鋭いということで、有力な1頭と評価した人が多かったと思います。だから、重賞未勝利にもかかわらず、3番人気に支持されたのでしょう。
個人的にも上位の評価をしていましたが、唯一気になったのが馬体重でした。

ミッキークイーンは阪神の新馬、未勝利にそれぞれ440kg、444kgで出走しましたが、次のクイーンCは輸送もあり一気に-20kgの424kgでの出走となりました。そこで2着に激走し、2か月後の忘れな草賞は馬体の回復が期待されたものの、わずか+2kgの426kgで出走。しかしその影響を感じさせず、堂々と1着になり賞金面でオークスへの出走を確実にしました。

精神的に繊細な牝馬は、輸送で馬体重を大幅に減らすことがあります。特に2~3歳と若い時期は、そのようなことがよく見受けられ、直前輸送で飼葉食いが減って体重を大幅に減らすなど体調を崩し、力を出し切れないまま敗れるシーンを何度も見てきました。
ミッキークイーンもその心配があり、正直かなり迷う部分もありました。

しかし調教の映像を見て、その心配がかなり解消されたのです。もし馬体維持に心配があれば、最終追切も軽めになると思われたのですが、霧ではっきりとは見えないものの、いっぱいに追っており、その動きはすばらしいものでした。
そして今日の馬体重は、強い追切を行ってさらに長距離輸送を行ったにもかかわらず、前走から+4kgの430kg。しかし未勝利戦を勝った時の444kgからは-14kgでした。

レースでは中団から最速の上り34.0で、1番人気のルージュバックをとらえて3/4差で1着。2,3着馬とは着差以上の力差を感じさせる完勝でした。このようにきちんと結果を出しており、パドックで見た限りでも細すぎるなどの問題は感じられず、おそらく現時点ではベスト体重なのでしょう。
大幅に馬体重に変動があると、かなり気になるものですが、海外ではそもそも馬体重を計測して発表する習慣がない国も多く、あまりそこに神経質になる必要もないのかなと、今日改めて感じました。

最近のオークス馬は以前と違ってその後も活躍する傾向が強く、ここ10年でもシーザリオ、カワカミプリンセス、ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ、ヌーヴォレコルトなど多くの名牝が生まれています。ミッキークイーンも、それらの馬に負けず劣らずすばらしいパフォーマンスを見せてくれたので、このまま順調に力をつけて、ぜひ世界に羽ばたいてほしいと思います。

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