いきなり大荒れとなった原因は ~フェブラリーS

今年初めてのG1レースであるフェブラリーSは、最低人気のコパノリッキーが先行抜け出しで1着となり、単勝27,210円、2番人気のホッコータルマエとの馬連が84,380円という大荒れの結果となりました。
これでフェブラリーSは3年連続の馬連万馬券の決着となり、最近はすっかり荒れるG1となっていますが、中でも今年は極端な結果となりました。

1着となったコパノリッキーは、登録時の賞金順では16位タイでケイアイレオーネとの抽選になり、それをくぐり抜けてギリギリで出走してきました。
3歳時には交流重賞の兵庫CSを逃げ切って重賞勝ち馬になっているとはいえ、近2走はOPで10,9着といずれも1秒以上の差で負けており、調教もぱっとせず、16番人気でも仕方ないかという状況でした。

では、今日のコパノリッキーの勝因は何なのでしょう。
まずはレースがかなりのスローで流れ、それを2番手でスムーズに走れたことでしょう。逃げたエーシントップのペースは600mが35.5と、最近ではトランセンドが逃げ切った2011年に続く遅いもの。
続いて、先行脚質の有力馬が意外と抑えてしまったという事情もあげられると思います。ホッコータルマエがいつもより後ろの6番手につけたほか、ニホンピロアワーズも中団につけ、ワンダーアキュートやベルシャザールも、いつもより後ろのポジションから進めました。
それもあってか、直線に入ってコパノリッキーが早めに抜け出したときに、ほぼ並んでいたホッコータルマエの追い出しが、ワンテンポ遅くなりました。この田辺騎手の絶妙の追い出しは、当然人気がなかったためにできたという面もあると思います。
逆にホッコータルマエの幸騎手としては、後ろからくるベルシャザールやニホンピロアワーズ、ワンダーアキュート、さらには末脚のよいベストウォーリアなどのことを考えると、追い出しを我慢するというのは、当然の選択だったでしょう。

しかし結果としては、これが明暗を分けました。1馬身ほど抜け出したコパノリッキーをホッコータルマエは懸命に追いますが、スローで進んだこともあって、なかなか差が詰まりません。坂を上って、ようやく少しずつ迫りますが、最後まで交わすことはできず、1/2馬身差の惜敗。
ホッコータルマエと3着のベルシャザールは35.1の上りで追いましたが、35.3で上がったコパノリッキーには勝てませんでした。

ただし、長い直線で現在ダートでは実力No.1といえるホッコータルマエに交わされなかったのは、力がないとできる技ではありません。実際に3歳時の兵庫CSでは、今日3番人気に押されたベストウォーリアを相手に、6馬身差をつけて逃げ切っているわけで、決して力的に大きく劣っていたわけではないと思います。
体調が戻れば、これぐらいの好走ができる下地はあったのでしょう。

しかしこの結果を事前に予想することは、至難の業です。つくづく競馬は奥が深いなと思います。

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