それが競馬と言われればそれまでだけど ~フェブラリーS

フェブラリーSは7番人気のテスタマッタが、見事な末脚で2馬身差をつけて圧勝しました。
これで2年前の2着の雪辱を果たしたわけですが、2走前の東京大賞典でもスマートファルコンとワンダーアキュートに差のない競馬をしており、力的には勝ってもおかしくないと思います。ただし掛かり癖があり、しかも前に馬をおけない大外というのが、人気を落とした原因でしょう。

しかし1.5倍という圧倒的な1番人気に支持されたトランセンドが7着に大敗したのは驚きました。
調教でもしっかりと脚があがっていて好調そうだったし、パドックでも落ち着いて周回していて、いつもと変わらない雰囲気だったので、上位には来るだろうと踏んでいたのですが・・・。

トランセンドは好スタートを切ったものの、セイクリムズンなどが前に行くと、中団まで下がってしまい、あわてて藤田騎手が押すものの、前に取り付くまでには、ずいぶんと脚を使ってしまいました。しかも3コーナーでも4番手。逃げるか、せいぜい2番手と思っていたので、この時点で少しイヤな予感がしました。

そして4コーナーで早くも騎手の手が動いて追い出しにかかります。去年の南部杯でも、4コーナーすぎに手ごたえが悪くなったのですが、あの時はそこからじりじりと伸びてきました。しかし今回は、いつもの伸びがありません。
そうこうしているうちに、外からワンダーアキュート、ダノンカモン、さらにはテスタマッタなどが一気に伸びてきて、トランセンドはあっという間に馬群に飲み込まれてしまいます。
最終的に1.7秒差の7着と、藤田騎手が乗るようになってからは初めて、約2年ぶりの大敗となってしまいました。

上位3頭はいずれも4コーナーで真ん中より後ろにいた馬なので、ペースが早かったというのもあるかもしれません。たしかに最初の3ハロン34.7は、2年前にローレルゲレイロが逃げて作った34.8を0.1秒上回りますが、このときは2番手のエスポワールシチーが勝っており、トランセンドが万全ならこなせないペースではありません。
安田調教師はマイルの距離を敗因に挙げており、たしかにそれもあるかもしれませんが、やはり行きっぷりの悪さが、象徴しているような気がします。体調なのか、気持ちの問題なのかはわかりませんが。

次走は、順調ならドバイWCでスマートファルコンと再び雌雄を決することになります。ぜひ昨年のJBCクラシックのような、手に汗握る勝負を、再び見せてもらいたいものです。

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