夏の勢いそのままの勝利 ~スプリンターズS

今年のスプリンターズSは、函館、札幌のスプリント重賞を連勝した勢いそのままに、カレンチャンが見事に制しました。関係者の皆さん、おめでとうございます。安田厩舎では、ダッシャーゴーゴーが残念ながら人気を裏切ってしまったものの、カレンチャンがサマースプリントシリーズでの無念を晴らしたので、喜びもひとしおでしょう。

例年であれば、サマースプリントSで重賞を2勝すれば、ほぼ1位は決まりなのですが、今年はなんとエーシンヴァーゴウもアイビスSDとセントウルSと2勝し、さらに北九州記念3着もあって、6ポイント差で王者に輝いたのです。

このサマースプリントSが始まって今年で6年。実は過去6年すべてで牝馬が王者(つまり女王)になっています。しかし彼女らのスプリンターズSでの成績は、2007年のサンアディユの2着が最高で、その他の年は連対すらしていません。
これはやはり「夏の牝馬」の格言どおり、夏には強いものの、秋には牡馬にやられてしまうということなのかもしれません。実際に2007年のサンアディユ、2008年のカノヤザクラ、2010年のワンカラットと、いずれも夏のスプリント重賞を2勝して臨んだ馬たちが、ことごとく他の馬(2007年と2008年は牝馬が優勝ですが)にやられています。
これは、夏の重賞に力を入れたために、秋まで調子を維持できなかったということもあるでしょう。

それらを考えると、今年のエーシンヴァーゴウとカレンチャンの評価が低かったのも、致し方ないのかもしれません。そんな評価を覆し、世界一のスプリンターとも称されるロケットマンを下したカレンチャンとエーシンヴァーゴウは、素晴らしいと思います。
特に先行有利な馬場を、中団から上がり33.8(メンバー中2位)で鮮やかに差しきったカレンチャンのレースぶりは、賞賛されるべきものでしょう。

しかし、傾向がはっきりわかっているのに、スプリンターズSは一筋縄ではいきません。この10年、3番人気以内の馬が連にからまなかったことはないものの、非常に難しいレースであることは確かです。またひとつ積み重なった経験が、来年に生かせればよいのですが・・・。

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