「短距離の差し馬」は当てはまりません ~スプリンターズS

わかっていながらやられてしまう・・・。何かスプリンターズSでは、よくそんな思いをするような気がします。
今年のスプリンターズSは、10番人気の伏兵、香港のウルトラファンタジーが逃げ切って終わりました。これで逃げ馬が連対したのは、過去10年で6頭。G1の中でも、最多ではないでしょうか。

よく穴馬をさして、「長距離の逃げ馬、短距離の差し馬」と言います。たしかに長距離で穴を開けるのは、しばしばマイペースで逃げた人気薄の逃げ馬だったりしますし、短距離では予想外のハイペースになって、無欲の差し馬がまとめて交わして勝ってしまうという事もあります。
しかしことスプリンターズSでは、人気薄とは言わないまでも、逃げ馬にやられることが多いです。
たとえば2000年のダイタクヤマトは16番人気で単勝は25,000円以上ついたし、昨年のローレルゲレイロも6番人気をあざ笑うように、見事な逃げ切り勝ちでした。

今年のウルトラファンタジーも、なぜか同じ香港のグリーンバーディーの陰にかくれて、香港ではいい勝負を繰り返していたのに、10番人気という低評価でした。

実際この時期の中山は先行有利は常識だし、逃げ馬がからむことは百も承知なのですが、今年の場合はどの馬が逃げるかわからないという事情もありました。ローレルゲレイロもヘッドライナーも、逃げてこそのタイプだし、そうなるとハイペースになって、差し馬がくるかもという期待もあったわけです。
しかし実際のレースは、ウルトラファンタジーがダッシュするもすぐに抑えて、それを一旦交わしてしまったローレルゲレイロやビービーガルダンもまた抑えたので、結果として再度ハナにたったウルトラファンタジーには、楽なペースで逃げることを可能にしてしまったのです。

4コーナーを回って後続を突き放したところで、勝負あったという感じでした。外のキンシャサノキセキは、休み明けのせいか、じりじりとしか伸びない。唯一内を差してきたダッシャーゴーゴーが迫ったのが収穫でしょうか。スプリント界にようやく世代交代を告げる馬が出現したようです。降着になってしまったのは残念ですが。

同じコースで同じ条件で行われていると、どうしてもそのレースの特徴というか性格がでてきます。まずはそれをつかむことが、的中への近道といえるのでしょう。わかっていても、なかなかそのとおりに考えられないものですが・・・。

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