焦点はブエナビスタの乗り方 ~オークス

桜花賞で他馬との力の違いを見せつけたブエナビスタとレッドディザイア。
調教では古馬のオープンでもめったにないという、8ハロン追いで最後まで伸びた前者と栗東坂路で最後の1ハロン11.7で上がった後者。
抜けた実力の両者が、出色の調教を見せたのであれば、この2頭で決まる可能性がかなり高いことは、容易に察しがつきました。

残った問題は、いかに乗るかということでしょう。前2週のG1が前の馬同士で決まったように、前残りで外が伸びにくい馬場なので、後方から大外一気という脚質のブエナビスタと、やはり後方からの末脚が武器のレッドディザイアは、ヘタをすると前の馬をとらえきれない危険があります。
安藤勝Jもインタビューで、そのような懸念を口にしていました。

そこで注目は、やはりブエナビスタを安藤勝Jがどう乗るのかということだったと思います。まさか逃げることはないでしょうが、中団ぐらいにつける可能性はあるのではと思っていました。
注目のスタートは互角に出ましたが、すぐに安藤勝Jはブエナビスタを下げて、1コーナーは後方から3番手。そのまま4コーナーまで、ずっと後方を追走します。対するレッドディザイアは中団の内につけました。

ブエナビスタは4コーナーで桜花賞と同じように一旦内をつくそぶりを見せて、再度外に持ち出して追い出しに掛かります。そこは午前中のレースから、あまり伸びないところ。大丈夫かと心配していると、徐々に伸びてきます。
残り200mでは、うまく内から抜けてきたレッドディザイアが2馬身ほど抜けて先頭に立ち、勝ちパターン。しかしそこからのブエナビスタの伸びは見事でした。1完歩ごとに差を詰め、ゴールでぎりぎり差しきったのです。桜花賞のビデオを見ても、よく差しきったなと思いますが、オークスもそれに劣らずすごいレースでした。

結局ブエナビスタはいつもどおり末脚を活かすレースをしたのですが、これは安藤勝Jも余程末脚を信頼していなければ、できなかったのではと思います。勝つ確信があったのかはわかりませんが、まさに神業のような勝利でした。

終わってみれば、桜花賞と1~3着がまったく同じとなりましたが、秋はどうなるのでしょうか。ぜひ秋華賞も勝って3冠を達成してもらいたいと、今からとても楽しみです。力は抜けているので、怪我や調子を崩すことがなければ、可能性は高いと思うのですが。

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