現役最強を争う牝馬の対決 天皇賞(秋)

今年の天皇賞(秋)は、期待にたがわぬ名勝負となりました。
春の安田記念を勝って鮮やかな復活を遂げたウオッカは、秋初戦の毎日王冠を勝ちに等しい2着と好走し、さらに調子を上げて万全の体制で天皇賞(秋)に臨んできました。
片や産経大阪杯で、後に宝塚記念で1~3着を占める牡馬を完封し、その後の活躍を期待されながら故障で春シーズンを棒に振ったダイワスカーレットは、7ヶ月の休み明けでかつ初体験の東京。しかも逃げ切りは1987年のニッポーテイオー以来1頭もないという、逃げ馬に不利なレースで、今回はさすがのダイワスカーレットも厳しいかと思われました。

レースはダイワスカーレットの逃げで始まりましたが、道中はトーセンキャプテンに絡まれ、安藤勝Jがなだめながら乗るも、1000mは58.7と早めのペース。それをウオッカとディープスカイは、やや掛かりながらも中団で折り合って追走します。
直線に入り、残り200mぐらいで3頭が並んだときは、あきらかに外のディープスカイとウオッカの脚色がよく、ダイワスカーレットももはやこれまでかと思われました。現にいったんはウオッカが前に出たように見えました。

しかしそこからダイワスカーレットがもう一度盛り返します。まん中のディープスカイが脱落し、内外離れた2頭が並んでゴール。再生されたスローでも、差がわからず、ずいぶん長い写真判定のあと、ウオッカの1着がアナウンスされました。その差はわずか2cmとのこと。

もちろん勝ったウオッカは強かったのですが、不利な状況を跳ね返して、レコード決着の2cm差2着に持ち込んだダイワスカーレットの強さには、本当に驚かされました。去年の有馬記念を含む一連のG1好走にも驚かされましたが、今回は文句のつけようがないですね。

ただこれで現役最強馬の争いに決着がついたとは、誰も思っていないのではないでしょうか。次は2頭とも万全な状態で、ぜひ勝負をしてもらいたいと思います。それがJCになるのか、有馬記念になるのかは、現時点ではわかりませんが、今からわくわくします。
ディープスカイも含めて、レコードタイムで走った反動は気になりますが、誰も故障せずに、再び元気な姿で勝負してくれることを期待したいと思います。

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