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2015年12月31日

2015年のJRA賞予想&ベストレース

今回も恒例の2015年を振り返ってJRA賞を個人的に予想するとともに、ベストレースを選んでみたいと思います。

2015年は、牝馬が強かった印象があります。特に秋はスプリンターズSのストレイトガールに始まり、JCのショウナンパンドラ、チャンピオンズCのサンビスタと、牡馬混合G1を3勝する快挙。ここ数年の強い牝馬の流れを、引き継ぎました。
それに対して特に古馬の牡馬は絶対的な中心馬が不在で、G1も混戦が多かったと思います。
それでは、各部門ごとに振り返ってみます。

まずは確実なところから。
●最優秀2歳牡馬
朝日杯FSが阪神に移って2年目。昨年の上位馬がいずれもマイル路線を歩んだことで、ますますクラシックとの関係性が弱まっているように思います。クラシックを狙う馬が中山2000mのホープフルSに集まる傾向は、強まっていくでしょう。
その朝日杯FSですが、デイリー杯を圧勝したエアスピネルが武豊騎手の平地G1完全制覇という話題もあって圧倒的な1番人気に支持されました。直線で抜け出したそのエアスピネルを差し切ったのが、新馬勝ちから1戦1勝で臨んだリオンディーズ。ホープフルSも同じく1戦1勝で臨んだハートレーが圧勝しましたが、レースの格からはリオンディーズで仕方ないでしょう。
しかしこの2頭の対決は今から楽しみですし、1番人気でともに2着に敗れたエアスピネルとロードクエストの巻き返しにも期待したいと思います。

●最優秀2歳牝馬
2015年の阪神JFは、重賞勝ちは前哨戦勝ち2頭を含む3頭だけで、前哨戦勝ちはいずれも人気薄と混戦でした。しかし勝ったメジャーエンブレムは、早めに抜け出して2馬身差の圧勝で、やや力が違う印象。名目ともに最優秀2歳牝馬で間違いないと思います。

●最優秀3歳牡馬
春の2冠はドゥラメンテが連勝。その後故障が判明して秋は全休となり3冠はなりませんでしたが、菊花賞を勝ったのは皐月賞、ダービーで下したキタサンブラック。他に特に有力な馬もおらず、ドゥラメンテで問題ないと思います。

●最優秀3歳牝馬
G1を勝ったのは桜花賞のレッツゴードンキと、オークス、秋華賞のミッキークイーン。ミッキークイーンは桜花賞は出走しておらず、片やレッツゴードンキはオークス、桜花賞でミッキークイーンに完敗。さらにミッキークイーンはJCでも3番人気に押されるほどその力は評価されており、ここは間違いないでしょう。

●最優秀障害馬
中山GJはレコードタイムで大差勝ち。そして約5か月ぶりの中山大障害は1/2馬身差で差し切ったアップトゥデイト。今年障害の重賞を3勝したのもこの馬だけで、ここは満場一致で決まるのではないでしょうか。


あとは有力候補が複数いて、迷うところもあるのですが・・・。


●最優秀4歳以上牡馬
結構迷うというか、他賞との調整という面もあるのですが、候補はG1 2勝馬の、宝塚記念と天皇賞(秋)を勝ったラブリーデイと、安田記念とマイルCSを勝ったモーリスでしょう。レースの格を考えるとここはラブリーデイで、モーリスは最優秀短距離馬でもいいのですが、そちらはあとで書きますがG1を2勝しているストレートガールもいます。最優秀4歳以上牝馬の選定も含めて、かなり悩ましい選考になると思います。他を考えなければ、ラブリーデイが妥当とは思います。

●最優秀4歳以上牝馬
G1を勝ったのは、ヴィクトリアマイル、スプリンターズSのストレイトガール、エリザベス女王杯のマリアライト、JCのショウナンパンドラ、チャンピオンズCのサンビスタの4頭。この4頭は路線が違うこともあり直接対決は少ないのですが、ヴィクトリアMでストレイトガールがショウナンパンドラを下し、オールカマーでショウナンパンドラがマリアライトを下しています。ただしレースの格ではJCが抜けて高い。ということで、ストレイトガールとショウナンパンドラの対決だと思います。おそらくショウナンパンドラが選ばれるのでしょうが、ストレイトガールのがんばりも高く評価されるべきと思います。
なおこの部門では、他にもラキシスやヌーヴォレコルトなど活躍した馬が多く、牝馬優勢を象徴するように、かなり層が厚い印象です。

●最優秀短距離馬
ここは安田記念、マイルCSを勝ったモーリスと、ヴィクトリアマイル、スプリンターズSを勝ったストレイトガールの一騎打ちです。最優秀4歳以上牡馬がラブリーデイであれば、今年6戦無敗で香港マイルも勝ったモーリスをこちらに選ばざるを得ないのですが、最優秀4歳以上牝馬がショウナンパンドラになるとストレイトガールが無冠ということになり、G1を2勝しながらとても残念ではあります。

●最優秀ダートホース
JRAのダートG1は2戦しかなく、フェブラリーSを連覇したコパノリッキーか、チャンピオンズCを勝ったサンビスタのどちらかが有力です。それぞれの成績を見ると、コパノリッキーはチャンピオンズCで7着で、逆にサンビスタはフェブラリーSで7着と全くの互角。その他の重賞はコパノリッキーがG1のJBCクラシックを含む2勝で、サンビスタは牝馬限定戦のみの3勝。印象度ではコパノリッキーでしょうか。


そして年度代表馬ですが、上記から選ぶとすれば、個人的にはモーリスだと思います。2015年1月の1000万から負けなしの6連勝でG1を3連勝。安田記念から5か月半ぶりというブランクをはねのけてマイルCSを制すると、香港マイルでは香港をはじめ世界の強豪マイラーを相手に堂々の優勝。
マイル路線からの年度代表馬となると、1998年のタイキシャトル以来となりますが、その年のタイキシャトルにまったく遜色ない成績だと思います。


続いて2015年の個人的なベストレース。
全体的にかなり混戦という印象だったのですが、牡馬クラシック路線はドゥラメンテが中心でした。共同通信杯で掛かってキャリア1戦のリアルスティールに負けた時は、期待していたこともありかなりショックを受けたのですが、皐月賞、ダービーと強い勝ち方を見せてくれました。特にダービーは横綱相撲で堂々と抜け出す完勝。その瞬間は3冠も夢見たのですが、結局故障でそれはなりませんでした。
ということで、ベストレースは日本ダービーです。
それではまた2016年の競馬に期待しましょう。

2015年12月27日

混戦の有馬記念好走の条件とは

今年の有馬記念は、1番人気のゴールドシップの単勝が4.1倍と混戦でした。秋のG1を3勝した2000年のテイエムオペラオーや2004年のゼンノロブロイのような抜けた力の持ち主がいる場合と違って、混戦のときは近走の実績よりも、いかに疲れのないフレッシュな状態で臨めるかの方が大事なような気がします。そこで少し調べてみました。

過去10年の連対馬20頭について有馬記念が9月以降で何走目かを見てみると、2走目が2頭、3走目が13頭、4走目が5頭、1走目と5走目以上は無しという状況でした。そして4走目の5頭をさらに見てみると、そのうちG1を3走が3頭、2走が1頭、1走が1頭。よくある天皇賞(秋)-JC-有馬記念というG1を3走して連対したのは、なんと2008年2着のアドマイヤモナークただ1頭でした。(ちなみにG1を3走したほかの2頭は、秋華賞-エリザベス女王杯から来た2007年2着のダイワスカーレットと、凱旋門賞-JCから来た2010年1着のヴィクトワールピサ)
そしてご存知のようにアドマイヤモナークは、天皇賞(秋)12着、JC12着と2走とも大敗しており、その意味ではあまり負担が重くなかったともいえます。もっともこの成績でなぜ2着にきたのか、今もって不思議ですが。

こうして見てみると、有馬記念で連対するためには、秋3走目が理想であり、4走目の場合は負担が重くないローテーション(もっとも何が重くないかは馬によって違いますが)であることが必須であることがわかります。これを当てはめると、ラブリーデイは買ってはいけない馬だったわけです(私は本命にしてしまいましたが・・・)。同様に、回避しましたがショウナンパンドラも、出ていれば危険な人気馬になっていたと思われます。

そして今年連対したゴールドアクターとサウンズオブアースは、いずれも理想的な有馬記念が秋3走目で、あまり負担は重くなく、かつ2走内にG2連対があって実績と勢いもあるという状況でした。
もちろん他にも秋3走目の馬はいますが、G1で好走していたり、逆にG1で大敗続きだったり、よい加減だったのは実はこの2頭だけだったりします。

来年もこれがそのまま通用するかはもちろんわかりませんが、覚えておいて損はしないかもしれません。

2015年12月20日

データによる分析の正しさと限界 ~朝日杯FS

今年の朝日杯FSの大きな注目ポイントは、何といっても武豊騎手のJRA平地G1完全制覇がなるかだったでしょう。3年前にマイルCSを制して残り1つとなってから、初の圧倒的1番人気への騎乗で、いやがうえにも期待が高まりました。本人も朝日杯が下手な鞍上だけが不安とネタにしていましたが、内心かなり期待が大きかったと思います。
実際デイリー杯2歳Sのエアスピネルの勝ちっぷりは、見事なものでした。デビューから重賞を含む3連勝で1番人気のシュウジを、直線では引き離す一方で3馬身差の楽勝。ついにG1完全制覇の偉業が達成される日が来るなと思いました。

有力ではと思われる相手も、来年のクラシックを見据えてホープフルSなどより距離の長いレースに向かう馬が多く、登録メンバーを見ると正直小粒な印象をぬぐえませんでした。唯一未知の魅力という意味で、2000mの新馬を楽勝したリオンディーズがいますが、さすがに1戦1勝の馬は過去に2着が1回あるだけとのことで、データ的には狙いにくいのが実情です。

レースは先行馬が何頭か競り合うもののペースはあまり速くならず、エアスピネルは中団の外を折り合って進みます。それに対して驚いたのはリオンディーズの落ち着きでした。新馬戦ではずっと折り合いを欠いて岩田騎手が懸命になだめていたのですが、M・デムーロ騎手に乗り替わった今回は最後方でまったく掛かる素振りもなく、落ち着いて進みます。
直線に入り、外から差してきたエアスピネルが直線半ばで先頭に立ち後続を引き離したときは、勝負あったかと思いましたが、大外を追い込んできたリオンディーズがみるみる迫ってきて、エアスピネルを並ぶ間もなく交わすと、3/4差で優勝。2着エアスピネルと3着シャドウアプローチは4馬身離れ、実質的に2頭の一騎打ちという形になりました。

これによって、朝日杯では1戦1勝の馬は勝ったことがないというデータはあっさりとくつがえされました。
それに対して当たったのは、過去10年の2歳G1で単勝1倍台の馬の成績は1・3・0・1と2着が多いというデータ。こちらは説得力のある理由が思いつかないので、ジンクスと言った方がいいのかもしれませんが、不思議なことにその通りになってしまいました。

これで武豊騎手は4回目の朝日杯2着。さらにエアスピネルの母エアメサイアは自らが手綱をとった2005年のオークスで、今日勝ったリオンディーズの母シーザリオにクビ差の2着。エアスピネルもリオンディーズもともにキングカメハメハ産駒ということもあり、2重の意味で悔しさを味わったのではないでしょうか。
G1完全制覇の絶好のチャンスを逃した武豊騎手の悔しさは、我々の理解を超えるレベルだとは思いますが、いつか実現できる日が来ることを信じて、また明日からがんばってほしいと思います。