昨年のNHKマイルCのあと、過去10年の成績からその傾向と対策をまとめました。それはこんなものでした。
(1)前走1着馬は過信しない
(2)前走適度に負けている実績馬を選ぶ
(3)前走クラシック出走馬は重視する
(4)1番人気は信頼度が低いが1~3番人気が1頭は連対する
今年はこの傾向と対策が役に立ったのか、また傾向は今年も続いたのか、検証をしてみたいと思います。
(1)前走1着馬は過信しない
これは個人的にはかなり強力な傾向だと思っています。実際に過去10年の連対馬20頭を見てみると、前走1着だったのは、わずかに2022年の1着馬ダノンスコーピオン(前走アーリントンC1着)1頭だけ。特に有力な前哨戦であるファルコンSとニュージーランドTの1着馬は、3着まで広げてもNHKマイルCでは1頭も来ていないので、無条件に消してもいいレベルです。
今年のメンバーを見てみると、前走1着だったのは4頭で、すべて重賞の勝ち馬。特に3番人気ダイヤモンドノット(前走ファルコンS1着)、4番人気アスクイキゴミ(前走チャーチルダウンズC1着)と2頭の人気馬も含んでおり、軸の選定という意味では影響が大きいと思います。
上記に当てはめるとまずダイヤモンドノットと11番人気レザベーション(前走ニュージーランドT1着)は消しになるのですが、実際に前者は5着、後者は6着とともに着外となり、この傾向は今年も維持されました。
ちなみに過去10年で唯一馬券内に1着馬を送り込んでいたのがアーリントンC(上記のダノンスコーピオンと2023年3着のオオバンブルマイ)で、現在のチャーチルダウンズCなのですが、こちらの1着馬アスクイキゴミは2着と好走。
ということで、こちらの傾向は「チャーチルダウンズCの1着馬は除く」という注記が必要になるでしょう。
(2)前走適度に負けている実績馬を選ぶ
こちらは(1)から当然導かれる傾向で、前走4着馬の連対が多いというデータをあげて昨年は説明したのですが、前走で少し負けている馬を軸にするべきという対策案を提示していました。
実際に過去10年の連対馬の前走着順をまとめてみると、こんな感じになります。
1着:1頭
2着:8頭
3着:2頭
4着:5頭
5着:1頭
6着以下:3頭
これを見る限りは前走2着~4着の馬が軸に最適という結論になります。今年のメンバーを見ると該当馬は7頭とかなり多いのですが、レースのレベルや脚質、距離適性などから絞り込んでいくことになります。
個人的にはニュージーランドT1番人気2着のロデオドライブが、脚質的にも合うのではと推理したのですが、こちらもばっちりでした。
(3)前走クラシック出走馬は重視する
例年皐月賞と桜花賞から来た馬が、そこでの着順とは関係なく活躍することがよくあります。
今年は桜花賞からの参戦はなく、皐月賞からは朝日杯FS1着ながら皐月賞で13着と大敗したカヴァレリッツォと、朝日杯FS3着ながら皐月賞で15着と大敗したアドマイヤクワッズの2頭のみの参戦となりました。この2頭はデイリー杯2歳Sでも2着、1着となっていて、この世代のマイル戦線では上位の2頭だと思うのですが、ともに2000mは長いという感じだったのでしょう。
しかし2桁の大敗から巻き返せるのかという疑問はありました。ところが過去には皐月賞8着から2着に来たロードクエスト(2016年)や、桜花賞15着から2着に来たソングライン(2021年)などの例もあるのです。さらにこのような馬は人気がないことが多いというのも、狙う利点となるのです。
そして上記2頭のうちアドマイヤクワッズが6番人気ながら3着に食い込み、こちらの傾向も維持されました。
(4)1番人気は信頼度が低いが1~3番人気が1頭は連対する
今年は単勝人気がかなり変動しました。前日発売では1番人気ダイヤモンドノット(4.2倍)、2番人気エコロアルバ(5.1倍)、3番人気ロデオドライブ(5.9倍)という人気順でした。ところが10分前ぐらいにはエコロアルバが1番人気になり、さらに直前でロデオドライブが1番人気になるなど目まぐるしく変わり、最終的には1番人気ロデオドライブ(4.6倍)、2番人気エコロアルバ(4.9倍)、3番人気ダイヤモンドノット(5.5倍)となりました。
パドックを見てから最終決断をするようなファンの投票行動が、最後のオッズに響くのだと思いますが、ロデオドライブの出来の良さが、最終結果に影響したのかもしれません。その目の的確さには驚かされますが。



基本的にはこの3頭から軸を選び、4番人気以下の馬を中心に相手選びをするということが、NHKマイルCにおける馬券の買い方になるということになります。
この3頭を見た場合、ダイヤモンドノットは(1)(2)で引っかかるのですが、エコロアルバについても前走が2月以前の馬は1頭も3着以内に入っていないという事実から、軸にしづらいのです。
そこで必然的にロデオドライブということになってしまうのです。1番人気は過去10年で1・2・1・6と信頼度が低いものの、来ていないわけではないのでOKでしょう。
そしてこちらの傾向も、今年継続しました。
レースは予想通り内枠から出たユウファラオが引っ張り、ダイヤモンドノットは好位で、ロデオドライブとエコロアルバは後方で追走します。1000mは33.7とかなりのハイペース。縦長の展開となり、先行馬には厳しい流れとなります。
4コーナーも縦長のままで回ると、ダイヤモンドノットがじわじわと前との差を詰めてきて、残り200mを切って先頭に立ちます。ところが残り100mで脚が上がってアドマイヤクワッズに交わされると後退。そこに外からアスクイキゴミ、さらにロデオドライブが伸びてきて、残り50mでアスクイキゴミがアドマイヤクワッズを交わして先頭。最後はアスクイキゴミにロデオドライブが並んだところがゴール。
写真判定の結果、1着はロデオドライブで、ハナ差2着がアスクイキゴミ、1 1/4差3着がアドマイヤクワッズという結果になりました。

ダイヤモンドノットは距離が長いということもあったのでしょう5着に終わり、エコロアルバは休み明けが響いたのか後方から差を詰めただけの9着となりました。
ロデオドライブはこれで芝マイルだけを使って3勝2着1回と、ほぼパーフェクトな成績。上りの時計も持ちタイムも良く、今後強いマイラーとして活躍していくことが期待されます。
サートゥルナーリア産駒としては、カヴァレリッツォに続くG1制覇となりますが、父の成績やショウヘイ、ジャスティンビスタなどの他の代表産駒を見ると、マイルでG1 2勝というというのは少し不思議な気がします。ただ父の父がロードカナロアなので、その影響を強く受ける産駒がマイルで活躍しているのかもしれません。
今後もマイル戦では注目すべき種牡馬といえるでしょう。

結果として傾向と対策は活きましたが、来年はどうなるでしょう。必勝法に近づけられるよう、改良を重ねながら考えていきたいと思います。