大阪杯は今年でG1昇格から10年となりますが、過去9回を見ると明確な傾向があり、それに従えば割と当てやすいレースといえるかもしれません。これは過去にも何度も書いているのですが、まとめるとこんな感じになります。
・逃げ先行馬の連対率が圧倒的に高い
・関東馬の連対が少ない
・連対はほぼ4,5歳馬
・1~4枠の連対率が高い(2枠除く)
・前走と同距離あるいは距離短縮馬が強い
今年は1~5番人気が1桁で、6番人気が44.9倍と極端に人気の偏りがあり、実質的に5頭立てというイメージでした。
その5頭の中で、5番人気のレーベンスティールは、6歳の関東馬で中山記念からの距離延長で7枠、さらに差し脚質と、上の傾向に照らし合わせるとなんとすべて引っかかる5重苦。さすがに中心にするのは難しい。
そこで残りの4頭から勝ち馬が出る可能性が高いだろうと思いました。
個人的には枠順が出る前は、クロワデュノール中心に考えていました。昨年のダービー馬で、2着の皐月賞も負けて強しというレースだったのですが、その強さがもっとも印象深かったのは、実は昨年のジャパンCでした。
凱旋門賞で大敗した帰国初戦で、あきらかに調子が整わない状況での出走だったのですが、好位からいったん直線では先頭に立つシーンがあり、最後は上位3頭に交わされたものの、粘って4着に入ったのです。その勝負根性には、とても驚かされました。
そして大阪杯の枠順が確定すると、クロワデュノールは大外8枠15番。
2018年にスワーヴリチャードが15番枠から1番人気で優勝しているほか、2020年にクロノジェネシスが8枠12番から2着に入っているものの、過去10年で8枠からの連対はこの2頭のみ。連対率11%は5,7枠とならんで、下から2番目という状況(最低は2枠の0%)。
正直ここは本命馬を変えた方がいいかと悩みました。
対する有力馬たちは、好枠を引き当てていたのです。
まずは1歳上のダービー馬ダノンデサイル(2番人気 3.9倍)が3枠4番。昨年はドバイシーマクラシックで世界No.1ホースカランダガンを破って優勝すると、JC、有馬記念と3着。勝てないまでもG1で常に好走するという安定感を見せています。
調教も素晴らしかったのですが、個人的にはいくつか懸念を抱いていました。それは近走勝ちきれないことや、主戦の戸崎騎手が騎乗停止で乗れないことに加えて、成長力に懸念のあるエピファネイア産駒ということでした。
続いて同期のショウヘイ(4番人気 6.1倍)が3枠5番。京都新聞杯を勝って、ダービーは好位から3着に敗れたものの、今年初戦のAJCCを好位から力強く差し切って完勝。
調教はとても良く見えてかなり惹かれました。また大阪杯というと、それまで少し足りない存在だった馬がG1馬になるレースという印象があり、スワーヴリチャード、ジャックドール、ベラジオオペラなどがここで初G1制覇を果たしています。そんなキャラクターにぴったりという印象もあったのですが、最終的には対抗にとどめました。
そして昨年の宝塚記念を逃げ切っているメイショウタバル(3番人気 4.8倍)が4枠6番。阪神は3戦3勝と得意で、良馬場発表とはいえ前日の雨で時計が掛かる馬場も合う印象。さらに調教もよく、ガラッと一変はあるとは思いました。
ただし信頼性という意味では、やはり落ちるのは否めないかという評価でした。
そこで枠についてあらためて考えてみました。
大阪杯で外枠の馬があまり結果を出せていないのは事実ですが、コース形態を見ると、阪神芝2000mはスタートしてから1コーナーまでの距離は比較的長く、東京芝2000mや中山芝1600mのようにコーナーが近く明らかに外枠不利とまでは言えません。
さらに今年の阪神開催は7週にわたってAコースが使用されていることもあり、内側が荒れてきているので、内が有利とも言えないのです。逆に外枠であれば思っていた位置を取りやすく、外を回らされないように気を付ければ、さほどの距離ロスにもならないでしょう。
距離ロスを上回る実力差があれば、勝つことは可能だろうと、最終的にクロワデュノール中心で行くことに決めました。さらに斉藤崇師の、枠はどこでも構わないという自信に満ちたコメントにも後押しされたのです。
好スタートを切ったクロワデュノールですが、少しずつ内に寄せていって、1コーナーではちょうど中団の外。想定していたよりもやや後ろ目に北村友騎手はつけます。
逃げたのはやはり武豊騎手鞍上のメイショウタバル。やや離し気味に逃げ、それを川田騎手のショウヘイは好位で追走し、その少し後ろに坂井騎手のダノンデサイルがいて、それを前に見るところにクロワデュノールという位置関係。
メイショウタバルのペースは1000m58.1と、馬場状態(やや重に近い良)を考えるとハイペースと言えます。そして3コーナーからクロワデュノールが外を通って一気に上がっていくと、4コーナーではショウヘイと並んで3番手。逆に内を突いたダノンデサイルは中団まで下がってしまいます。
直線は逃げ込みを図るメイショウタバルに、クロワデュノールがじわじわと迫っていきます。いったんは追いつかないかとも思ったのですが、坂を上ると猛追し、ゴール直前でクロワデュノールが交わして1着。3/4馬身差2着がメイショウタバルで、さらに1馬身差3着がダノンデサイルという結果に終わりました。
大阪杯を勝つためには、4コーナーで5番手以内にいることは必須なので、個人的には道中のクロワデュノールの位置は後ろ過ぎるのではと思っていたのですが、メイショウタバルのハイペースの逃げを見ると、結果的には正解の位置だったと思います。
あらかじめ北村友騎手は後方につけると言っていたようなので、ペース判断が見事に当たったのでしょう。
逆に先行してついていったショウヘイは、直線では伸びを欠いて10着と大敗してしまったのですが、これを見ると2着に残ったメイショウタバルが1番強い競馬をしたといえるでしょう。まさに肉を切らせて骨を断つという感じで、あらためてその力を思い知らされました。
ただこれが他の競馬場でも発揮できれば、もっと実績を残すことができるのですが。
大外枠をものともせず、メンバー2番の末脚(34.9)で差し切ったクロワデュノールは、さらに成長した姿を見せてくれたと思います。これで香港に出走する同期のライバルミュージアムマイル、マスカレードボールとの対戦が、ますます楽しみになります。
順調に行けば宝塚記念になるのか、あるいは天皇賞(秋)になるのか。かなり楽しみな対決になるでしょう。